スペースは「ゴチャゴチャ」と「すっきり」を二極化すれば使いやすい/発達障害の仕事術

pixta_8587689_S.jpg仕事や人間関係がうまくいかない...「もしかして自分は大人の発達障害なのでは?」と悩む人が増えています。しかし、その解決策を具体的に示した本は少ないのが現状です。

本書『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』は発達障害の当事者が、試行錯誤と度重なる失敗の末に身につけた「本当に役立つ」ライフハック集。うつでもコミュ障でも、必ず社会で生き延びていける術を教えます!

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◆「クリーンスペース」が 頭の混乱を消してくれる

「モニター2つと、L字型の机」を用意せよ

自宅のパソコン、モニターはいくつ使っていますか。え、ひとつ?それはダメです。大至急もうひとつ買ってきてください。2つでも構いません。

例えば複数のエクセルブックをまたいで作業するとき、シートを重ねて作業できる人の気持ちが僕には一切理解できません。だって一覧性がないじゃないですか!

アクセスも一手じゃない。もちろん、スペースもまるで足りません。全ての情報を集約化(ぶっこみ)できないことになります(ちなみに、エクセルはスタートから再度プログラムを起動すると重ねずに開けます。使いましょう)。

見えない物は存在しないのと同じです。閉じたシートにあった情報なんて、脳に置いておけません。僕の短期記憶はどうしようもないのです。できないことはできない。

ゆえに、この原稿もドラフトを第二モニターに映しながら書いています。大変快適です。逆に、ノートパソコンだと作業効率が8割くらい落ちます。こういうADHDにありがちな状態を、僕は「メモリが小さい」と表現しています。専門用語でもワーキングメモリ、とか言うらしいですね。

これを鍛えるためにいろいろやってみましたが、僕にはほとんど効果はありませんでした。それよりも、ワーキングメモリをあまり必要としない作業環境を構築するほうがよっぽど早いのです。早く僕の脳に刺さる追加メモリを開発して欲しい。スロットがないかもしれませんが......。

さて、そんなわけでパソコンのモニターから自宅の机まで、あらゆる作業スペースは「分けて広げる」が絶対原則です。そのために、僕はL字型の机を使っています。すいません、ちょっと見栄を張りました。L字型机は結構お値段が張ったので、中古オフィス用具店で買った机を2つ組み合わせて「L字」と言い張っています。これがね、ちょっと信じられないくらい便利なんです。

 

作業スペースは、作業ごとに分ける

というのも、パソコンのキーボードが置かれた机ってどうしても作業スペースが制約されるじゃないですか。

どうせ我々のことだ、上にいろいろな物がすぐゴチャゴチャに散らかる。そういう状況で作業が捗るかというと、そういうわけにもいきません。このクソ狭い机で書類なんぞ書けるか!気が狂ってしまうわ!片づけろ?無理に決まってんだろ!そういう問題を解決するのがこのL字型机、あるいは執務机2個組み合わせハックです。ほとんど何も置かれていない「クリーンな机」をひとつ、普段のパソコン作業等に使う机をひとつ用意すればいいわけです。「クリーンな机」があるだけで、作業能率も紛失等の発生リスクもちょっとびっくりするくらい改善します。

これは、今思うとバリバリのASDであった祖父から得た発想です。彼は機械いじりが大得意だったのですが、「作業スペースは常にクリーンに保て。作業が終わったらネジひとつ残すな」と常々僕を叱っていました。「ネジひとつ」が重大な結果をもたらす工作において、彼の鉄則は心底正しいことだったと思います。ハンコひとつが重大な結果をもたらす僕においても、それは間違いなく正しいでしょう。

パソコンも同様に、モニターひとつ目のデスクトップはゴチャゴチャでも最悪構いません。でも、もうひとつのデスクトップは常に清潔さを保ってください。これは簡単なはずです。ゴチャゴチャのほうにぶちこめばいいのですから。大事な物、なくせない物、作業中の物を「クリーンな」デスクトップに置けばいいのです。

混乱した作業スペースは、我々の混乱した脳そのものです。逆に言えば、作業スペースがクリーンならば、我々の脳もそれなりにクリーンになるのです。

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ちなみに、この「クリーンスペース」ハックを究極まで突き詰めたのが「クリーンルーム」です。クリーンルームとは、言い換えれば「何もない部屋」。僕は3LDKの今の家に引っ越したときからひと部屋だけ、「絶対に何も置かない、何も持ち込まない」と決めた部屋を設けています。そして本当に集中して作業したいときだけ、身ひとつでこの部屋に入るのです。物件の部屋数によっては現実的ではないので全員にはおすすめしませんが、部屋ごとクリーンが一番シンプルで楽なのは確かです。

なお、僕の祖父はテレビのリモコンが定位置から 20 センチ動くと脳がバグッてしまう人でした。 〝クリーン〟はほどほどに。

 

【まとめ】
・作業スペースは多少力技でも広く、クリーンに
・机もパソコンのモニターも、2つ用意してひとつをクリーンに

  

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借金玉(しゃっきんだま)

1985年生まれ。診断はADHD(注意欠陥多動性障害)の発達障害者。幼少期から社会適応が全くできず、登校拒否落第寸前などを繰り返しつつギリギリ高校までは卒業。色々ありながらも早稲田大学を卒業した後、何かの間違いでとてもきちんとした金融機関に就職。全く仕事ができず逃走の後、一発逆転を狙って起業。一時は調子に乗るも昇った角度で落ちる大失敗。その後は1年かけて「うつの底」から這い出し、現在は営業マンとして働く。


 

『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』

(借金玉/KADOKAWA)

社会生活がうまくいかず苦しむ「大人の発達障害者」が増えていると言われる現代日本。発達障害によって30歳を前に人生をほぼ破たんさせかけた著者が、試行錯誤で編み出した「発達障害者のため」の今日から使えるライフハックを多数紹介! 仕事や人間関係がうまくいかない全ての人のための「日本一意識が低い」自己啓発書です。

この記事は書籍『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』からの抜粋です
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