「ぶっこむ、一目で見通す、すぐ手が届く」が僕の仕事を快適にする/発達障害の仕事術

pixta_40066470_S.jpg仕事や人間関係がうまくいかない...「もしかして自分は大人の発達障害なのでは?」と悩む人が増えています。しかし、その解決策を具体的に示した本は少ないのが現状です。

本書『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』は発達障害の当事者が、試行錯誤と度重なる失敗の末に身につけた「本当に役立つ」ライフハック集。うつでもコミュ障でも、必ず社会で生き延びていける術を教えます!

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前の記事「自分の能力不足は「道具・環境」を変えて克服すればいい!/発達障害の仕事術(7)」はこちら。

 

僕は何もかもを失敗します。おそらく皆さんが「たまにうっかりやる」レベルのことを、僕は日常的に繰り返しながら生きています。シャワーに入るときは腕時計を外し忘れますし、出勤のときにはストーブを消し忘れます。家の鍵は気がついたら消滅しています。ガス代は払い忘れて止まり、歯医者の予約は寝過ごします。それが僕です。

しかし、現在僕はそれなりに何とかなっており、この本を書き上げることにも成功しました。そういったひとつひとつの積み上げが僕の仕事ハックです。

そういった多数の工夫の中に、それらに共通する基本概念が3つあることに僕は最近気づきました。これは特に「道具」に関わるハックにおいて非常に汎用性の高い概念ですが、少し理解を抽象化することによって「スケジュール」などにも応用が利く非常に便利なものです。

1. 集約化(ぶっこみ)
2. 一覧性
3. 一手アクセス

この3つです。これに気づいたとき、「ADHD傾向の強い人間に使いやすい道具、適合した環境」などにひとつの答えが出た気がしました。まず、「集約化」。これは、「バラバラに散った物は必ず失われる」ということです。例えば、僕はかばんをひとつしか使いません。複数のかばんに必要に応じて物を詰めて使い分けるということは、僕には100%不可能なことであると言えます。

「一覧性」は、全てを一目で見通せることです。覚えがありませんか?

重ねた書類や見えない物がどんどん失われていったことが。そして、最後に「一手アクセス」。これは、「アクセスに障壁がある物は使えない物である」ということです。ひとつひとつの物に「すぐ手が届く」ことがとても大事です。溜め込んだ郵便物の中からガス代の請求書を探すことができず、あるいは探す気力がどうしても湧かず、ガスを止められて水風呂で過ごした。そんな経験が僕にはあります。

この3つを旨に、僕のツールハックは構築されています。しかし、「集約化」と「一覧性」はたいていの場合矛盾するでしょう。一箇所に全ての物品を「ぶっこめ」ば、見通しは当然悪くなります。そこで工夫が必要になるわけです。

そして、このハックには順序があります。まずは「集約化」から始めるべき、というのが僕の結論です。これは「容易なことから始めて少しずつ難度を上げていく」という一般的な原則に従っています。いきなり「トルコ行進曲」は弾けません。「きらきら星」から始めるべきです。

「とにかく、必要な物はこの中にある」、それだけで「世界のどこにあるかわからない」「部屋のどこにあるかわからない」よりは遥かにマシです。ここまでできるようになるだけで、生活には大きな変化が出てくるでしょう。然る後、一箇所に集約された物品に一覧性を持たせる工夫をする。そして、それぞれへのアクセス性を向上させていく。こういった順番で生活の、あるいは仕事上のハックを行っていくことを僕は推奨しています。それでは、僕が実際にやっているハックをご紹介します。やっていきましょう。

  

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借金玉(しゃっきんだま)

1985年生まれ。診断はADHD(注意欠陥多動性障害)の発達障害者。幼少期から社会適応が全くできず、登校拒否落第寸前などを繰り返しつつギリギリ高校までは卒業。
色々ありながらも早稲田大学を卒業した後、何かの間違いでとてもきちんとした金融機関に就職。全く仕事ができず逃走の後、一発逆転を狙って起業。一時は調子に乗るも昇った角度で落ちる大失敗。その後は1年かけて「うつの底」から這い出し、現在は営業マンとして働く。

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『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』
(借金玉/KADOKAWA)
社会生活がうまくいかず苦しむ「大人の発達障害者」が増えていると言われる現代日本。発達障害によって30歳を前に人生をほぼ破たんさせかけた著者が、試行錯誤で編み出した「発達障害者のため」の今日から使えるライフハックを多数紹介! 仕事や人間関係がうまくいかない全ての人のための「日本一意識が低い」自己啓発書です。

この記事は書籍『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』からの抜粋です
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