静岡県熱海市在住の人気ガーデナー・水谷昭美さん。定期誌『毎日が発見』の連載「暮らしの晴れ間」から、季節を感じ、日々の暮らしをゆったりと楽しむ水谷さんの暮らしをご紹介します。今回は、「花は、すくすく明るい方へ」をお届けします。
手毬のような八重のクレマチス。
ほの暗い場所でほころぶと白さがよりまぶしく、思わず見とれてしまいます。
初夏に旬を迎える花の成長ぶりはドラマのようです。
例えば、クレマチス。
細い蔓(つる)が勢いを増して伸び、綿棒の先ほどに小さかったつぼみも膨らんで、たくさんの花を降るように咲かせる...。
雨の季節を前にして貴重な太陽の光を求めるのでしょうか。
日々姿を変えていくそのストーリーにわくわくするのです。
クレマチスの品種はたくさんあり、上は淡いピンク、下は青紫色の八重。庭に咲く姿を眺めた後、手折って飾るのもこの季節の毎年の楽しみです。
手のひらより大きな花穂のジギタリス
空に向かってまっすぐに咲き登るジギタリス。地植えをした苗の高さは、私の背丈を越えるほど。
ボリジは産毛に包まれ、うつむき加減に星形の花を咲かせるハーブ。茎や葉は、ほんのりと甘いきゅうりのような香りがします。
細い蔓の先で踊るように咲くクレマチス
風にそよぐ紫色のクレマチスは、自分が咲く場所を探すように隣に植えてあるバラの太い幹に蔓を絡ませ、ここまで育ちました。花は上品な風情でも内に秘めた生命力は旺盛です。下はロベリアとフレンチラベンダー。
【6月の定番総菜】ボリジと山うどの酢みそあえ
ハーブティーや砂糖漬けにすることが多いボリジの花を、ちょっと趣向を変えて山うどの彩りに添えました。山うどは厚めに皮をむいてスライス。みそと酢、みりんを合わせた酢みそを付けて、花と一緒に和風の味付けでいただきます。酢みそは好みで白しょうゆ少々を加え、旨味をプラスしても。
取材・文/飯田充代 撮影/斎藤大地