結婚が"足枷"にならない世の中。女性の逆襲が始まった!/大人の男と女のつきあい方

pixta_14512410_S.jpg40歳を過ぎ、しかも家庭を持つ男の恋愛は難しいのが現実。しかし、年齢を重ねても、たとえ結婚していても異性と付き合うことで人間は磨かれる、と著者は考えます。

本書『大人の「男と女」のつきあい方』で、成熟した大人の男と女が品格を忘れず愉しくつきあうための知恵を学びませんか?

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「夫婦?それって、他人の始まりでしょ」

熟年の既婚女性、熟年離婚の女性、未亡人......。こうした女性たちの恋愛が花盛りのようである。

作家の工藤美代子さんの著作『炎情』(中央公論新社刊)には、熟年離婚によって新たな生きがいを見つけ出した女性たちの過去、現在の苦悩や喜びが赤裸々に描き出されている。
この本の帯には「すれ違う欲望、キレツする心と身体......決断する女たち」というコピーが書かれている。

夫の浮気に耐えきれずに離婚、その復讐(ふくしゅう)を試みるかのように若い男性とのセックスにのめり込む女性、長く抑えてきた性の欲望を爆発させる未亡人、バイブレーターの愉しみに目覚めた女性など、丁寧な取材によって彼女たちの肉声が詳細に紹介されている。

大過なく夫婦生活を過ごしてきたと安心している世の亭主たちが、深夜ベッドルームでこの本を読んでいたとしよう。読み進めるにつれて、思わず傍らですやすやと眠っている妻の顔をのぞき込んでしまうような、驚愕(きょうがく)する内容である。

世の中の女性の逆襲が始まった。これが私の偽らざる読後感である。この本で生々しく自分の結婚生活、離婚に至る経緯、過去そして現在のセックス観などを語っている女性たちのほとんどが50代以上だが、同年代の男性はもちろん、若い男性も一度読んでおいたほうがいい。なぜなら、いま一緒に暮らしながら、何の不満もいわず幸せそうにしている妻、あるいはまだ見ぬ妻の明日の姿かもしれないからだ。

私などは、専業主婦の妻に家事、育児いっさいを任せ、どちらかというと好き勝手放題に生きてきたクチだが、これからの世の中、そう簡単にはいかないようだ。もちろん、妻や子どもを養うために懸命に働いてきたという自負は十分にあるが、これからは、それだけで妻たちは満足しないようである。

これまでは男性中心主義の枠組みのなかで、女性は男性に比べて不自由な生き方を強いられてきたという一面がある。セックスについても同様だ。すべての男性がそうだというのではないが、多くの男性は妻に内緒で婚外セックスもしただろう。不倫関係のセックスもあれば、人によっては風俗にそのはけ口を求めたかもしれない。あるいはその両方という人もいるだろう。

一方、既婚女性の大部分は、夫一筋でしかセックスライフの愉しみ方を知らなかった。もちろん、なかにはパイオニア精神旺盛で男性並みの婚外活動を重ねてきた女性もいるに違いないが、あくまで総体としては間違っていないはずだ。

だが、そんな男性の身勝手でアンフェアな規範に反旗をひるがえす動きが活発化しているのだ。お金も原因の―つだろう。年金法の改定によって夫の年金の半分は離婚した妻が受けとれるようになった。またパートで働いても収人は得られる。イヤな夫に服従しなくても、慰謝料を手にして、女としての権利を手にできるのである。

「〇〇はすごいよね。離婚しても年下の男性と恋ができて......」
女性有名芸能人の名前をあげて、ため息をつく現状不満派の熟年妻たち。
「お金があるから離婚しても困らない。だから、若い男とのセックスが愉しめる」
彼女たちが飲み込んだ言葉のあとには、こんなフレーズが隠されているのだ。

ちょっと勇気を奮って意思表示してみれば、さして愉しくもない結婚生活という巣から飛び立つことができる。大金持ちの芸能人ほどゴージャスではないにしても、新しい生活をスタートできるというわけだ。

お金の問題だけではない。旧態依然とした夫婦のモラルの崩壊も、そんな妻たちの動きに拍車をかける。テレビ、新聞などがこれでもかと伝える男女のスキャンダルも、自分たちに身近な例としてとらえている。

たとえば、以前に北アイルランド副首相の奥さんが、40歳近くも年下の19歳の青年と不倫関係にあったと報道された事件も、彼女たちにとっては必ずしも「ひどい女」ではなく、「うらやましい女」なのかもしれない。

工藤さんの著書のなかだけではない。最近は高齢者の男女関係も盛んだ。新聞の身の上相談で、70代後半の女性が同年代の男性と男女の仲になったので、そのまま続けてもいいか?という問いを見かけた。お盛んなのである。

もしあなたが、「自分たち夫婦は間違いなくうまくいっている」と自信を持っていえる生活を送っているなら、心配は無用だ。だが、ほじくれば何かが出てくる身で、妻のグチが絶えないような日々を送っているなら気をつけること。「妻なのだから」「長年暮らしてきたのだから」などという言葉は、彼女たちにとって何の足枷(あしかせ)にもならないということを忘れてはいけない。そういう時代なのだ。愛情、セックス、思いやり、もしあなたがいずれかで不甲斐ない夫なら、ある日、離婚届けを手に妻がこういってくるかもしれない。

「夫婦?それって、他人の始まりでしょ」

 

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川北義則(かわきた・よしのり)
1935年大阪生まれ。1958年慶應義塾大学経済学部卒業後、東京スポーツ新聞社に入社。文化部長、出版部長を歴任。1977年に退社し、日本クリエート社を設立する。現在、出版プロデューサーとして活躍するとともに、エッセイスト・評論家として、新聞や雑誌などに執筆。講演なども精力的に行なっている。主な著書に『遊びの品格』(KADOKAWA)、『40歳から伸びる人、40歳で止まる人』『男の品格』『人間関係のしきたり』(以上、PHP研究所)など。

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『大人の「男と女」のつきあい方』
(川北義則 / KADOKAWA)
「年齢を重ねても、たとえ結婚していたとしても、異性と付き合うことによって、人間は磨かれる」というのが著者の考え。しかし、40歳を過ぎてから、 しかも家庭を持つ男の恋愛は難しいのが現実です。 本書は、成熟した大人の男と女が品格を忘れず、愉しくつきあうための知恵を紹介。 いつまでも色気のある男は、仕事も人生もうまくいく!

この記事は書籍『大人の「男と女」のつきあい方』からの抜粋です
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