クローゼットがゴミ置き場になってない? 年末にやりたい「衣類の断捨離」をやましたひでこさんが解説

今年も残すところあとわずか。この時期に「大掃除」を始める方も多いでしょう。今年の大掃除は思い切ってクローゼットを「断捨離」してみませんか? 洋服を改めて見直すことで新しい自分になり、すっきりした気持ちで新年を迎えられます。そこで今回は、今年4月の掲載で反響があった、「断捨離」のやましたひでこさんに聞く「衣類の捨て時」特集を再掲載。本記事では「心が整う断捨離の実践法」を紹介します。

【関連記事】年越し前にクローゼットの「断捨離」を! やましたひでこさんが教える「衣類の捨て時3カ条」

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その服が思い出などにつながる場合などは、必ずしも捨てる必要はないが、1〜2枚に制限すること。

着たくなる服が並ぶクローゼットにする

洋服だけではなく、クローゼットの中に収まったところまでを含めてやっと断捨離の片付けになります。

山のように着るものがあるのに、いま着たいものがない。

そんなクローゼットは鮮度を失っています。

強い言葉で言えばそれはいわばゴミ置き場と同じ。

朝起きてクローゼットをのぞいたとき、どれを選ぼうとウキウキするような服ばかりに囲まれていたら、一日が楽しい気分で過ごせます。

ですからクローゼットはブティックのようなスペースにすることがオススメです。

「自分が客になったとして、本当にこの服が買いたいかどうかという基準で、洋服を選別している」という方がいました。

お客さんとして買いたいと思う服、すなわち気に入った洋服が並ぶブティックにする感覚を持つと、その服が必要か必要でないかが分かりやすくなります。

断捨離でゆとりある収納

いくら一枚一枚は心が浮き立つようなステキな服だったとしても、それらがすし詰めになってクローゼットにしまわれていたら、どうでしょう。

クローゼット全体で見て、ときめかないのでは意味がありません。

空間とモノとの関係を考えること。

収納の空間を見極めてこそ断捨離なのです。

洋服の総量、適量を目に見える形で教えてくれるのがハンガーです。

朝クローゼットから洋服を取り出したら、空いたハンガーを1カ所にまとめておきます。

そうすると空間にあと何枚分の余裕があるかが分かるはず。

ハンガーは取り出しやすく、しまいやすいように間隔をあけておくことが鉄則です。

また、ハンガーは色とりどりにしないで、デザイン、色などにこだわり統一することも、よりよい空間作りには必要です。

空間をすっきり整えると洋服もステキに見えます。

こうして、常にクローゼットの中をどこに何があるかが記憶できる量にしておけば、イライラすることもなく、出し入れもスムーズでいつも快適な気分でいられます。

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空いたハンガーは1カ所に集めると、洋服の総量が分かりやすい。ハンガーは同じものにして美しく。

片付けも遊び心を持って

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アクセサリーをオブジェにかけて、インテリアの一つとして演出。取り出しやすいのもメリット。

断捨離を進めてすっきりさせていくと、収納をもっと楽しみたくなり、そのために気付くことがあります。

私はプラスチックの収納ケースが合わないと感じるようになり、下着や小物入れには食器をしまっていた木のチェストを使い回しています。

クローゼットを気持ちのよい空間にするには、収納もゆとりを持ち、ときには遊び心のあるしまい方にするのも一つの方法です。

アクセサリーやバッグなどの服飾雑貨は、数が増えて収納にも苦労しがち。

アクセサリーを収納するときは、ゆとりを持たせてクローゼットのバーに吊したり、棚に飾ったオブジェにかけてインテリアの一部にして収納しています。

そうすると飾ってきれいなものだけを残すことができ、見ていても楽しめます。

バッグも数を決めて、何年も眠っているものがあれば思い切って手放しましょう。

出番の少ない大きいキャリーバッグには衣替え用の服を入れています。

そうすると自然と入る服の量が制限され、空いているバッグも使えて一石二鳥。

このように、片付けに工夫と楽しみを見つけることで、断捨離したくなる気分は高まります。

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バッグは吊してぶつからない程度の量に規制。ブランドバッグもきちんと使ってこそ価値
がある。

元を取ろうとする発想は捨てて

高い服を買ったときなどに、「元を取りたい」と思うのは捨てづらくなる考え方です。

元を取るのは、使ったお金を取り戻すということだとしても、1万円かけたもので実際に1万円返ってくるわけではありませんね?

ですから、自分が使い切った、取り戻せたと思うことは勘違いなのです。

ポイントはお金を金額としてではなく、見えないエネルギーと捉えること。

お金が「快」のエネルギーに変えてくれたと解釈できるようになると、金額やモノに固執しなくなります。

満足して着たのなら、自分の中でそのことを評価し、その後は処分しても人に回しても大丈夫と思える発想の転換が必要です。

「着替え」は「気替え」でもあります。

それは元を取るという考え方と少し違うことを覚えておいてください。

そうはいっても捨てるときに、罪悪感がある、後ろめたいと思うなら、教会のバザーなどに寄付する、人にもらってもらう、自治体のリサイクルに出すなどして、自分なりに心を納めるのもいいと思います。

私はシーズンが終わったら、友人との洋服交換会に出しています。

あげるというよりもらっていただく感覚で。

着てみて気に入った服、そうでない服は案外すぐに見分けがつくはずです。

不要なら早めに回します。

売れるかもと取っておいても結局行動を起こさなければただのゴミ。

手間と時間の浪費を考えて、やりやすい方法でなるべく早く処分するのがいちばんです。

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役目を終えたブランドスカーフが捨てられなければ、風呂敷にして使う。「プレゼントを包んだら、それごとあげています」

取材・文/細川潤子 撮影/原田 崇 イラスト/カラシソエル

 

<教えてくれた人>

やましたひでこさん

一般社団法人 断捨離(R)代表。ヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」に着想を得た「断捨離」を日常生活の片付けに落とし込み、提唱する。近著は『光に遊ぶ 自在期 もうひとつのあなたの人生の舞台』(ビジネス社)。

●やましたひでこさん公式サイト

 

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この記事は『毎日が発見』2022年4月号に掲載の情報です。

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