ひどい痛みで指が曲がらない、関節が太くなった、指の形がおかしい...。それらの症状、もしかしたら「へバーデン結節」かもしれません。患者数350万人以上とも言われる「へバーデン結節」ですが、原因自体はまだ解明されておらず、手指の痛みをそのままにしてしまっている人も少なくないそう。そこで今回は、麻酔科医・富永喜代先生による著書『全国から患者が集まる麻酔科医の へバーデン結節・手指の痛みの治し方』を紹介。具体的な症状や対処方法、自分でできる痛みをやわらげる治療メソッドなど解説していきます。
※本記事は富永喜代著の書籍『全国から患者が集まる麻酔科医の へバーデン結節・手指の痛みの治し方』から一部抜粋・編集しました。
【前回】手指の痛みをやわらげる治療メソッド「10秒神経マッサージ」とは? 麻酔科医が解説
10秒神経マッサージ
手首(親指側)
痛みやしびれが出ている手の手首の親指側を刺激するマッサージです。
「橈骨神経浅枝」が走る手首の親指側の神経ポイントは、皮膚から浅いところにあるため比較的探しやすい箇所。
刺激することで、手の甲側の親指・人差し指・中指・薬指や手のひら側の親指の付け根の痛みを緩和します。
まず、痛みやしびれが出ている手の甲を上にして指を伸ばします。
次に親指と人差し指を大きく開き、指先を反るように伸ばします。
手首にできた横ジワから3cmほどひじ側が神経ポイント。
親指と人差し指の付け根が交わるV字の延長線上の骨の上です。
反対の手の親指で押してみると、グリグリとした感触があります。
この神経ポイントに親指の爪を立てて、上下3cmの範囲を縦に小刻みに揺らしながら、しごくようにして強めに10秒間、刺激を与えます。
手首の内側や手の甲側など、刺激する場所がズレると、痛みの緩和にはつながりません。
写真を見ながら神経ポイントの位置をきちんと確認し、ピンポイントで行ってください。
神経ポイント
親指と人差し指の軸が交わる角度の中央をまっすぐ手首のほうに伸ばし、手首のシワから約3cmのところ
How to
神経ポイントに反対の手の親指の爪を当てる。爪を立てて矢印の範囲を縦に10秒間、強めにしごくように刺激する。
10秒神経マッサージ
手首(小指側)
痛みやしびれが出ている側の手首の小指側の神経ポイントのマッサージです。
ここを走るのが、小指と薬指の小指側の動きに関わる「尺骨神経」。
この神経ポイントをピンポイントで刺激することで、小指や薬指の痛みを軽減します。
まず、痛みやしびれが出ている側の手のひらを上に向けます。
手首の小指側の側面に、反対の手の人差し指・中指・薬指の3本の指を垂直に当て、骨に沿ってひじの方向へ近づけていくと、骨がくびれたように少しへこんだ箇所があります。
位置の目安は、手首からひじまでの長さの4分の1あたり。
ここが神経ポイントです。
尺骨というしっかりとした骨がその奥にあるので、骨を目安にするといいでしょう。
わかりづらいときは、1~2mmずつずらしながら刺激してください。
この神経ポイントを人差し指・中指・薬指の3本で、上下5cmの範囲をタテにこするように10秒間刺激します。
3本の指の爪がすべて神経ポイントに当たるように、指を軽く曲げて調節しましょう。
神経ポイント
小指側の骨のキワ。手首とひじの間で手首側から4分の1くらいの、少し骨がへこんだところ
How to
神経ポイントに人差し指・中指・薬指の3本を垂直に当て、爪を立てて矢印の範囲を縦に10秒間、イタ気持ちいい強さで刺激する。