手指の痛みをやわらげる治療メソッド「10秒神経マッサージ」とは? 麻酔科医が解説

ひどい痛みで指が曲がらない、関節が太くなった、指の形がおかしい...。それらの症状、もしかしたら「へバーデン結節」かもしれません。患者数350万人以上とも言われる「へバーデン結節」ですが、原因自体はまだ解明されておらず、手指の痛みをそのままにしてしまっている人も少なくないそう。そこで今回は、麻酔科医・富永喜代先生による著書『全国から患者が集まる麻酔科医の へバーデン結節・手指の痛みの治し方』を紹介。具体的な症状や対処方法、自分でできる痛みをやわらげる治療メソッドなど解説していきます。

※本記事は富永喜代著の書籍『全国から患者が集まる麻酔科医の へバーデン結節・手指の痛みの治し方』から一部抜粋・編集しました。

【前回】手指の病気「ヘバーデン結節」の「治療の流れ」を解説。痛みを和らげる「10秒神経マッサージ」って?

無理せず、気軽に、気長に。
毎日続けることが大切です

マッサージを施すのは10秒です。

体の表面に近いところを走る神経に、瞬発的に刺激を与えるために行うので、10秒で十分。

早く治りたいからと長時間押したりすると、痛みで体を緊張させる働きのある交感神経が活性化します。

すると、血流が悪くなるので、筋肉や関節も硬くなり、かえって痛みを悪化させてしまうのです。

ですから、基本的には時間を長くしたり、勝手に回数を増やさないようにしましょう。

1回につき10秒、朝と晩に1回ずつ行います。

強度や時間を増やすよりも、「毎日続けること」が一番効果的です。

その小さな積み重ねこそが、痛みを減らしてくれるのです。

ただ、例外的にとても痛みが気になるときに痛み対策として行うのはOK。

自分で簡単に痛みやしびれをコントロールできるのもこのマッサージの魅力なので、痛みが強い際には朝晩以外にも66、68、70ページなどの箇所に行ってみましょう。

基本は朝晩1回ずつ、10秒ずつ行う。

しかし痛みがひどいときには我慢しすぎず、このマッサージで痛みを逃がし、痛みのスパイラルを回避しましょう。

10秒神経マッサージの要注意ポイント

皮膚に傷・変色があるときはお休み
家事や仕事などで手指に切り傷を負った場合などは、傷が回復するまで休みましょう。

血液サラサラの薬を飲んでいる人は要注意
「抗血小板薬」や「抗凝固剤」などの薬を飲んでいる人は皮下出血を起こすことがあります。

長時間続けてやらない
効果を急いで長時間しすぎると、交感神経が活性化して血流が悪くなり、痛みが増すことも。

爪の先を丸く・短くしてから行おう
爪が長くとがっていると、皮膚を傷つける可能性が。やすりなどでケアしてから行って。

前向きな気持ちで丁寧に
「どうせ治らない」と思うとマッサージも雑になりがち。前向きに丁寧に行いましょう。

10秒神経マッサージを成功させる3つのやり方のポイントを押さえましょう

神経には、痛みやしびれなどを伝える「知覚神経」と、体を動かす指令を伝える「運動神経」があります。

このふたつがどちらとも関わる「神経ポイント」を的確に刺激することで、痛みを緩和させるというのが、このマッサージの方法です。

ですから、やり方は簡単ですが、押す位置や押し方、時間などを守ることで、より効果を感じることができます。

まずひとつ目のポイントは、親指の腹ではなく、爪を立てて行うこと。

神経ポイントに的確に刺激を与えるには、指の腹でもんでも効果は期待できません。

刺激した後に皮膚に爪の跡が残るくらいが目安です。

ふたつ目は「イタ気持ちいい強さ」で行うこと。

「痛いぐらいするほうが効くだろう」と強すぎる圧を加えると、皮膚が傷ついてしまうこともあるので注意して。

どちらかというと「痛い寄り」程度の強さで行いましょう。

3つ目に大切なのは、「10秒ルール」を守ること。

長く押しすぎると血行不良などが起こって痛みが増してしまうことも。

一ヶ所10秒を守り、朝晩の2回行ってください。

効果を上げるための3つのルール

POINT1:爪を立てて行う

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手指の神経ポイントにピンポイントで刺激を送れるように、爪を立てた状態で押しましょう。痛みがある側の手や指に強く押し付けてください。

POINT2:爪を立てて行う

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程よい刺激を与えるには、気持ちいいだけの強さでは足りず、苦痛なほど痛く押すのも逆効果です。痛過ぎないけど痛い寄りくらいの強さで。

POINT3:10秒ルールを守る

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神経ポイントに刺激を与えすぎると、痛みが悪化する場合があります。やり過ぎは逆効果。1 回10秒を厳守して朝晩2回行ってください。

 
※この記事は『全国から患者が集まる麻酔科医の へバーデン結節・手指の痛みの治し方』(富永喜代/KADOKAWA)からの抜粋です。

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