電子レンジ、いつも「温め機能」だけを使っていませんか? 「温め」だけなんてもったいない! 電子レンジを使えば減塩&減油調理が可能。また、少人数の料理をおいしく仕上げるのに最適なのです。料理研究家の村上祥子さんに、電子レンジを調理に活用する方法を教えてもらいました!
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【電子レンジ調理で失敗しないためのポイント】
皮や膜があるものは、切り目を入れて破裂を防ぎます
電子レンジは素材に含まれる水を水蒸気に変えることで調理するのが特徴です。水1㎖は1700倍の体積の水蒸気に変わります。水蒸気が行き場を失うと、皮や膜があるものはそれを破って、加熱中に破裂して飛び散ります。皮がついているものや膜があるものは切り目を入れる下処理をします。
鶏肉
皮にフォークで3カ所ほど突いて穴を開ける。
皮を下側にして加熱する。
魚
上になる側に斜めに1本、中骨に届くまで切り目を入れる。
レバー
薄皮に1本、切り目を入れる。
ソーセージ
皮に切り込みを入れる。
じゃがいも
フォークで皮の上を3カ所ほど突いて、穴を開ける。
なす
へたの周りにぐるりと切り目を入れる。
冷やご飯を温めるときは1膳分に水大さじ1をふりかけます
冷やご飯を電子レンジで温めると、パサつくのはご飯粒に含まれる水分が、加熱によって水蒸気に変わるからです。ご飯1膳につき、水大さじ1をかけてふんわりラップをし、電子レンジ600Wで1分30秒加熱をしてみましょう。ふっくらと炊きたてのようになります。
庫内が空のままで加熱すると故障の原因になります
試しに電子レンジに何も入れないで作動させたことはありませんか? 電子レンジのコンデンサから発射された電磁波は、庫内に食材があれ ば、その水分に吸収されます。ところが、何も入れないで加熱すると電磁波は金属の壁に当たってはね返り、コンデンサを直撃します。これはコンデンサが劣化する原因になり、電子レンジの寿命が短縮、故障につながります。
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<教えてくれた人>
村上祥子(むらかみ・さちこ)さん
料理研究家・管理栄養士。1942年、福岡生まれ。公立大学法人福岡女子大学国際文理学部・食・健康学科客員教授。食材の持つ力で健康寿命の延伸を図る研究に関与する同大学にある「村上祥子料理研究資料文庫」で50万点の資料が一般公開されている。