静岡県熱海市在住の人気ガーデナー・水谷昭美さん。定期誌『毎日が発見』の連載「暮らしの晴れ間」から、季節を感じ、日々の暮らしをゆったりと楽しむ水谷さんの暮らしをご紹介します。今回は、「緑で涼む雨上がり」をお届けします。
サンダルの出番。素足で歩きたくなる季節です。
緑で涼む雨上がり
雨が上がって、どんよりしていた空にさーっと光が差す瞬間が好きです。
庭が濡れた草と土の匂いに包まれ、風が吹き渡れば、葉がこすれ合う音も。
青々と成長した葉が奏でる音は初夏よりも確かで力強く、耳にすると、むし暑さを忘れて
涼やかな気持ちになります。
七夕の唱歌の中にある笹の葉がさらさらと揺れる描写を思い出しました。
自然の音を心地よく感じるのは、今も昔も同じなのかもしれませんね。
梅雨空に似合うギボウシ
太陽の光を求めているのでしょうか、ギボウシは茎を高く伸ばして開花します。
白い花もまた涼感を誘います
花房が尖っているから名前はピラミッドアジサイ。バスケットにどっさりと。
料理前の冬瓜を部屋の飾りに
つやつやの冬瓜は深い緑色。料理するまで部屋にごろんところがして眺めます。
【7月の定番料理】冬瓜とつぶ貝の冷やし鉢
冬瓜の冷たい食感がうれしい一品です。まず鍋にかつお節のだし汁を沸かし、洗ったつぶ貝(殻付きのまま)と、皮をむきひと口大に切った冬瓜を加えてさっと煮ます。火が通ったら、うす口しょうゆと塩少々で味を付けてできあがり。常温までさます間に味を含ませ、さらに冷蔵庫で冷やし、食べる直前に刻んだかぼすの皮を散らして夏の香りを効かせます。
七夕飾りを庭の葉で
大きさや形の違う庭の緑を集めました。大きな斑入りの葉はネグンドカエデ。先の尖った葉はヤマブキ、ゆったりと絡めた蔓つるはヤマブドウ、丸い実はまだ青くて固いイチジク。紙の短冊を吊す代わりに、大きな葉に願い事を書いても楽しそうです。
取材・文/飯田充代 撮影/斎藤大地