3月ごろまで旬が続く「みかん」は、1月から2月にかけて味が濃厚に。焼くとさらに甘く、皮ごと食べられるようになります。そこで今回は、管理栄養士で料理研究家の成澤文子(なりさわ・あやこ)さんに、「焼きみかんの作り方とアレンジレシピ」を教えてもらいました。
みかんは焼くと甘さがアップ
皮もおいしくいただけます
冬の味覚の代表格・みかんは、風邪予防に役立つビタミンCや、β - クリプトキサンチンなど機能性成分が豊富。
栄養を余すことなく摂取するために、丸ごと食べるのがおすすめです。
「みかんは焼くと焼き芋のような香りが出て、丸ごと食べやすくなります。皮は古くから陳皮の原料として漢方でも健康に役立てられてきましたが、最近の研究では閉経後の骨粗鬆症のモデル動物に皮に含まれるヘスペリジンを摂取させると、血中および肝臓中のコレステロールが低下するとともに、骨量の減少が抑えられたとの報告もあります」(成澤さん)
焼きみかん1個あたり、40kcal
【みかんは「丸ごと」がすごい】
- みかん色素「β-クリプトキサンチン」は体内でビタミンAと同様に働き、がん予防の可能性も
- 便秘改善作用がある「ペクチン」が果肉の袋に多く含まれている果皮に含まれる
- 「ノビレチン」には、抗認知症作用があるという研究結果が
【こんな活用法も!】
- みかんの皮を入浴剤代わりにして「みかん風呂」に。リモネンという精油成分の美白作用に期待大
- 乾燥させたみかんの皮にお湯を注いで「陳皮茶」に。飲むと体がポカポカに
みかんの皮に含まれるリモネンは、ガスコンロにこびりついた汚れを落とすのにも活用できます。
焼きみかんのおいしい作り方
焼きみかんをよりおいしく安全に作るためのコツをご紹介します。
(1)流水で、30秒以上かけて、しっかりとこすり洗いをする。農薬が気になる場合は、塩でこすり洗いをするか、熱湯でさっとゆでこぼして。
(2)トースターにアルミホイルを敷き、みかんをのせて強(1200W)で15分焼く。魚焼きグリルの場合も同様にホイルを敷き、強めの中火で7~8分焼く。
(3)焼きたては熱々になっているので、やけどに注意しながら焦げを取り除き、皮ごと割っていただく。冷めてもおいしいので、まとめて焼いておいても。
≪アレンジレシピ1≫
みかんを匙でくずしながら食べるとおいしい!
「焼きみかん入りしょうが甘酒」
1人分120kcal/塩分0.0g
食物繊維が豊富で整腸作用に効果があるみかんと、アンチエイジングが期待される甘酒を合わせて。
材料(2人分)
焼きみかん...1個
酒粕...60g
砂糖...大さじ2
しょうが(すりおろし)...少々
作り方
(1)焼きみかんはヘタと焦げたところをむき、皮ごと横半分に切る。
(2)鍋に水1と1/2カップ(分量外)を入れ、酒粕をちぎり入れて5分ほど置いて柔らかくする。
(3)(2)を中火にかけ、すり混ぜながら酒粕を溶かす。
(4)砂糖、しょうがを入れてよく混ぜ、器に盛り、焼きみかんを入れていただく。
農薬が不安な人は、みかんを熱湯にくぐらせてから焼いても
≪アレンジレシピ2≫
みかんの香りで食欲もアップ
「焼きみかんとカブのなます風」
1人分52kcal/塩分0.8g
食物繊維や消化酵素が豊富なカブと合わせると、便秘や胃もたれ、胸やけの解消に期待大。
材料(2人分)
焼きみかん...1個
カブの根...2~3個(250g程度)
カブの葉...少々
塩...小さじ1/4
砂糖...小さじ1
酢...小さじ2
作り方
(1)焼きみかんは皮をむき、実と皮に分ける。皮は焦げたところを除いてせん切りにし、実は1房ずつに分け、長さを半分に切る。
(2)カブの根は半分に切って薄切り、葉は細かく刻む。ボウルに入れて塩でもみ、10分置いて水気を絞る。
(3)ボウルに砂糖と酢を混ぜて(2)をなじませ、(1)を加えて器に盛る。
取材・文/和栗 恵 撮影/齋藤ジン 栄養計算/成澤文子