静岡県熱海市在住の人気ガーデナー・水谷昭美さん。定期誌『毎日が発見』の連載「暮らしの晴れ間」から、季節を感じ、日々の暮らしをゆったりと楽しむ水谷さんの暮らしをご紹介します。今回は、「夏の始まりを実感する白い花」をお届けします。
【やまぼうし】4枚の平たい花弁が愛らしい花木。空を見上げるように上向きに咲きます。水谷さんは、2階の窓から開花している姿を発見したそうです。
夏の始まりは、白い花で
庭の緑の中に、白い花がちらほらと咲き始めました。
1輪ずつは小さいけれど、そのまぶしさが目にしみてなんだかうれしい。
カレンダーをめくらなくてもああ、夏がきたと実感します。
蒸し暑さが増してくるし、雨が続くこともあるけれど、なんのその。
手折って部屋に飾れば、気持ちまで清々しくなるのです。
ナスタチウムは育てやすい一年草のハーブ。2月に種をまき花を咲かせました。
丸い種もおいしい。
夏の日差しを思わせる淡い色と丸い葉が魅力的。摘みたてをサラダにしてほのかな辛味と酸味を味わいます。
【7月の定番ランチ】ナスタチウムの花サラダ
(1)ナスタチウムの花と食べやすくちぎった葉を洗う。
(2)生ハムと、ゆでてサイコロ状に切ったさつまいもを1 と合わせる。
(3)塩、オリーブ油、酢、すりおろした玉ねぎ、黒こしょう各適量を合わせてドレッシングを作り、(2)にかけていただく。
【くちなし】厚みのある花びらも花形もすてき。短い花期を惜しむように放つムスク系の甘い香りごと部屋に運び、さりげなく紙袋に挿しました。
【たかさごゆり】玄関先に飾ったたかさごゆりは、一見華奢でも生命力旺盛。裏庭に奔放に開花した花を手折り、野山の景色を映すように、たおやかに涼やかに、矢羽根ススキと合わせています。
【ブラックベリー】初々しい産毛が付いた直径3cmほどの小輪。花の横にある緑色の実が花後に色づいて熟したら、毎年、摘んでジャムを作ります。
【れんげしょうま】ゆらゆらと風に揺れる夏の山野草。パチンとまん丸いつぼみが割れて開き、少し恥ずかしそうに下を向いて楚々と咲きます。
【ほたるぶくろ】淡い紫を帯びたほたるぶくろは、昔、子どもが袋のようなこの花にほたるを入れて遊んだことが名前の由来。どこか懐かしい釣鐘形。
取材・文/飯田充代 撮影/斎藤大地