甘くて美味しい新たまねぎの季節です。でも傷みやすいのも気になるところ。だからこそ、新鮮なうちに半分は生でいただいて、半分は保存食にすれば、2度楽しむことができます。料理研究家の武蔵裕子(むさし・ゆうこ)さんに「新玉ねぎならではの甘味を生かした保存方法」を教えてもらいました。
半調理で保存すればおいしさが長持ちします
やわらかくてみずみずしい春の野菜。買ったら新鮮なうちに食べ切るのが理想ですが、たくさん手に入ったり、使い残しそうなときは保存食にするのがおすすめ、と、料理研究家の武蔵裕子さん。
「春野菜は水分が多くておいしいのですが、傷みやすい側面も。調味料であえたり、生のまま冷凍しておくと、鮮度を落とさずに保存でき、おかずのアレンジにもすぐに使えるので便利です」
今回は、春野菜のなかでも保存食に新玉ねぎ野菜を紹介します。
左から「甘酢しょうが玉ねぎ」、「たけのこの塩オリーブ油漬け」、「塩麹キャベツ」
新玉ねぎならではの甘味を生かして保存を
白くてやわらかく、ジューシーな甘味が楽しめる新玉ねぎ。
匂いや辛味が少ないので水にさらす必要がない、そのまま食べられるのでサラダやサンドイッチにも使いやすいなど、手軽さや食べやすさが魅力です。
水分が多いため、傷みやすいのが難点ですが、保存食も活用すれば食べ切りは簡単。
「おすすめはマリネやみそもみ。肉にも魚にも合う、少し甘めの味つけがポイントです。味つけせず、皮をむいて冷凍しておけば、炒めものやスープにも便利ですよ」
保存方法①:みそもみ玉ねぎ
みそをみりんでのばし、もみ込んでおくだけ。みそ漬けより簡単で、ご飯のおともとしてそのままでおいしく、炒めものやつけ合わせなどにも便利です。
●保存 冷蔵で約1週間
材料と作り方(作りやすい分量)
新玉ねぎ2個は薄切りにしてボウルに入れる。みそ、みりん各大さじ2を合わせて加え、よくもみ込む。保存容器に入れ、冷蔵室に2時間以上おく。
保存方法②:冷凍玉ねぎ
皮をむいて大きくバラしておくと、炒めものやポトフなどの煮込み料理に使いやすくなります。みじん切りにし、肉だねやソース、たれなどに加えても。
●保存 冷凍で2~3週間
材料と作り方(作りやすい分量)
新玉ねぎ2個は4等分のくし形に切り、1枚ずつはがしてバラバラにする。保存袋に入れて冷凍する。
保存方法③:甘酢しょうが玉ねぎ
酢玉ねぎと酢しょうがのメリットを合わせた健康保存食。そのまま食べるのはもちろん、肉、魚のつけ合わせやあえもの、サラダなどさまざまに活用できます。
●保存 冷蔵で約10日
材料(できあがり約600g)
新玉ねぎ...2個(400~450g)
塩...小さじ11/2
(A)酢...2/3カップ
(A)みりん...大さじ5
(A)しょうがのせん切り...小2かけ分
作り方
① 新玉ねぎは薄切りにしてボウルに入れ、塩をふる。ときどき混ぜて15分ほどおく。
② 水をひたひたに加えて5~6分おく。ざるにあげてさっと洗い、水けをよく絞ってボウルに入れる。
③ Aのみりんは耐熱容器に入れ、ラップをかけずに電子レンジ600Wで1分加熱する。②にAを加えてよく混ぜ、保存容器に移して冷蔵室に1時間ほどおく。
取材・文/坂本典子、佐藤由香(シェルト*ゴ) 撮影/野口健志