貯金が少ないから老後が心配...多くの人が抱える将来の不安。そんな時代に、「お金がなくても幸せになれる」と言うのは70代の牧師・ミツコさん。著書『74歳、ないのはお金だけ。あとは全部そろってる』(すばる舎)の中では、その暮らしぶりを伝えています。今回は同著書から、ミツコさんが感じた仕事のやりがいや日常の感動など、人生を充実して過ごすためのヒントをお届けします。
3軒の共働き家庭に通うシルバー人材センターの仕事
シルバー人材センターで伺う3軒は、偶然にも皆小さいお子さんのいる共働き家庭です。
火曜日と木曜日の家庭は、どちらも掃除です。
金曜日の家庭は夕方から行って、仕事で遅くなるママの代わりに、夕ご飯を作っています。
学童から帰ってきたお子さんと、その日は早帰りのパパと一緒に、夕食をいただいてきます。
3人でいつも楽しく盛り上がる食卓です。
どのお宅でも、雇われた人という感じではなく、対等に付き合っていただいているので、ありがたいです。
「サポートしてくださり、ありがとうございます」と、言ってもらえます。
なかには、他人を家に入れることに、最初はご主人が反対していた家がありました。
でも、始める前に面接したら、「あなたなら大丈夫ですね」と言ってもらえました。
私も娘4人を育てながら教会の仕事もしていましたので、同じような状況のご家庭のサポートができるのは、うれしいです。
仕事を依頼されているママたちも、娘たちと同世代。
実家のお母さんに手伝いに来てもらう感覚で、頼んでくださっているようです。
私もそのような気持ちで、お手伝いさせていただいています。
それぞれの家庭に3~4年通っているので、お子さんたちとも仲良くなり、孫のようにかわいいです。
ときどき、お子さんからお手紙をもらうこともあり、それは私の宝物として、部屋に飾って眺めています。
木曜日に通っているお宅では、昨年から猫を飼い始めました。
「猫を飼うことになったのですが、猫は大丈夫でしょうか?」と聞かれたのですが、「大好きです!」と答えました。
子どもの頃から猫が家にいました。
結婚当初も猫を飼い、その猫が子どもを産んで、一時15匹にもなってしまったことがありました。
当時は避妊手術をするお金もなく、困りましたが、最終的に皆もらわれていきました。
猫の媚びないところが好きです。
シルバーのお宅でも、少しずつ距離を縮め、半年で撫でても逃げないようになり、1年経ってついに抱っこさせてくれました。
いつも「楽しくないと人生じゃない」と考えています。
これは夫がよく言っていた言葉で、私も何でも楽しもうという気持ちになりました。
だから、仕事も楽しんでいます。
体を動かして働くと、若さも元気も保てるので、仕事があることに感謝しています。
働かせていただける限り、この先もずっと働き続けたいと思っています。
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74歳の牧師がつづる、一人暮らしの老後生活。健康管理法やお金の価値感などについて全6章で紹介されています