片づけのためには「モノを捨てる」必要があると思っていませんか?5000軒以上の家を片づけてきた古堅純子さんは、「モノを捨てなくても、一生散らからない空間は実現できる」と言います。そこで、古堅さんの著書『シニアのための なぜかワクワクする片づけの新常識』(朝日新聞出版)より、「夢と希望を生み出す片づけのヒント」を連載形式でご紹介します。
「洗濯問題」は家をリバウンドさせない鍵に
散らかるモノの種類で圧倒的に多いのは衣類です。
なぜなら、衣類は99%の人が毎日着替えるので、使用頻度が高いからです。
当然、洗濯もするし、そのあと干して取り込んで、畳んでしまう作業も必要です。
つまり家事のなかで、炊事の次に行われる頻度が高く、しかも細かな工程が多いのが、洗濯にまつわる作業なのです。
その作業のどこかがとどこおると、洗濯物がつねに家のどこかにたまるという事態が生じます。
「洗濯問題」を解決しない限り、家はすぐリバウンドするというわけです。
洗濯動線はできるだけ短く
ではどうすればいいのかというと、「洗濯動線」の見直しです。
片づけても、すぐ衣類が散らかってしまうのは、「洗濯する場所」「洗濯物を干す場所」「洗濯物を取り込んで畳んでしまう場所」の位置関係が悪いからです。
それぞれをつなぐ動線はなるべく短くするのが、洗濯物で家をリバウンドさせないコツです。
ここでポイントとなるのは、「洗濯物を取り込んで畳んでしまう場所」です。
家族の部屋ごとに衣類の定位置を決めている人が多いのですが、こういった分け方をしていると、洗濯物をしまうとき、それぞれの部屋にいちいち持っていかなければなりません。
その手間が、衣類を散らかしてしまう原因になるのです。
洗濯物で家をリバウンドさせないコツは、家族ごとに衣類を分けるのではなく、下着や靴下、シャツのように「日々洗濯する衣類」と、コートやスーツ、上着など「めったに洗濯しない衣類」(クリーニングに出すようなもの)に分けることです。
そして「めったに洗濯しない衣類」は家族ごとに、たとえば子どものモノは子ども部屋に定位置を決めてもかまいませんが、「日々洗濯する衣類」に関しては、洗濯機や風呂場の近くに定位置を決めるのが、散らからないコツです。
なぜなら、下着や靴下などは、毎日取り換え、毎日洗うモノなので、脱いでそのまま洗濯機に放り込み、洗いたての衣類にその場ですぐに着替えられるからです。
こうすれば、日々洗濯するモノがあちこちに散らかることがありません。
衣類の床置き、ソファー置きを禁止する
ほんのちょっとのつもりで、コートを椅子にかけたり、洗濯物をソファーや床に置いてしまうことがあります。
でも衣類は床やソファーに置くと、そのまま動かなくなり、いつも床に置かれているのが見慣れた日常の風景になってしまいます。
ある人が、ペットの犬を撮ってインスタにあげたら、背後に椅子にかかったバスタオルが写っていました。
画像に写ったバスタオルはいかにもだらしなく、それを見た人は犬よりもそっちが気になって仕方がなかったです。
自分では見慣れて、違和感がない風景も、第三者の目で見ると、驚くほど散らかっていて、雑然とした家に映るのかもしれません。
リバウンドさせる元凶は衣類であることが多いので、衣類は絶対にソファーや床に置いてはいけません。
椅子やソファーは座るところ、床は歩くところ。
衣類を置く場所ではありません。
「衣類の床置き、ソファー置き禁止令」を、家族に徹底させましょう。
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