小さな節約のために大きく自分をムダ遣い・・・もう「チマチマ節約」は断捨離しませんか?

暮らしの中の断捨離を提唱するやましたひでこさんは、著書『家事の断捨離』(大和書房)で、家事の常識を断捨離することこそが大切だと言います。モノを減らせば、家事も減る。やました流「家事に追われなくなる秘訣」を連載形式でお届けします。

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「小さな節約」のために膨大なエネルギーを消費している

スーパーのちらしを持ってお店からお店へハシゴしたり。

大量のポイントカードがお財布からあふれんばかりになっていたり。

「節約」を懸命にがんばっている姿が見てとれます。

ところでその節約、愉しんでやっていますか?

「節約が趣味」という人に、私は何も言うことありません。

でも節約を苦痛だと思っていたら、やめませんか?

節約、節電、節水......。

世の中では、「ムダを省こう」とあちらこちらで叫ばれています。

ムダを省くことが美徳という空気がありますね。

ムダを省くことが「エコ」であるというムードも。

ところが私たちは、「小さな節約」「小さなエコ」のために大きなムダ遣いをしているのです。

ムダを省くために、「創意工夫」してみたり、我慢してみたり。

収納術しかり、まとめ家事しかり。

ムダを省くために、どれだけ時間と空間と手間をかけていることでしょう。

「節約」をがんばっても結果的に省けたのは、1円、10円、100円です。

費用対効果でいうとむしろマイナス。

自分の労働をタダだと思っている人もいますが、それはちがいます。

自分も資本でありコスト。

まず、この意識を持ちましょう。

「チマチマ節約」していると、ときに私たちはドカンと浪費してしまいます。

「チマチマ節約」で気づかないうちにストレスをため、そして「がんばっている自分」にちょっとした散財を許す。

私はこのサイクルを、「チマチマドカンの法則」と呼んでいます。

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チマチマドカンの法則。隣町のスーパーで大特価セール!自転車走らせ「節約」に成功。がんばったご褒美にケーキ買って帰ろう。あれ?プラマイゼロどころか大幅プラス。目先の「得」に振りまわされないで。

そもそも節約って切ない気分になりませんか。

あえて厳しく言えば、節約する思考を持っているから、節約していかなければならない人生になってしまう。

その思考をまず断捨離してほしいのです。

ならば、いっそのこと節約などやめて働いたほうがいい、という考え方もあります。

ただ現実として働けない状況の人もいるでしょう。

また、働きに出ることによって余計なお金を使うということもあります。

仕事中にストッキングが1枚伝線してしまったら、それで時給が半分飛んでしまうわけですから。

つまり、私たちはどちらの状況にも転がる可能性があるということ。

そのためにもまず、生活の基本をスマートに「ダウンサイジング」しておく必要があるのです。

「ダウンサイジング」とは、空間に対してモノを減らしておくこと。

モノを減らせば、手間が減り、時間や空間にゆとりが生まれます。

すると、家事や生活の優先順位が見えてきます。

そのうえで、働きに行くもよし、家にいるもよし。

自分で選択ができるのです。

家計簿はつけるだけでは意味がない

「節約」は意味がないように、家計簿も意味がないと思っています。

いえ、正確に言えば、家計簿はつけるだけでは意味がない。

家計簿をつけて満足という人がいっぱいいます。

なんのために家計簿をつけているのでしょう?

先日、テレビの情報番組にファイナンシャルプランナー(FP)の方が出ていました。

相談者は、高齢の両親をもつ一人娘の独身女性。

両親の介護の必要性も出てきて、本人も健康や生活費の不安を抱えています。

そこでFPの方が、「これから何年後には住宅費がこれだけかかって、このときは介護費が加算されるから、これだけお金がかかる。だから今このくらい積み立てておきましょう」とアドバイスします。

最後に、「これで、ちょっと心が軽くなったでしょう?」と微笑みます。

相談者の方は、「はい、心が軽くなりました」と答えていましたが、私にしてみれば「えっー!」です。

何年後かのライフスタイルに合わせて計画を立てても、いつ何が起こるかわかりません。

シンギュラリティ(技術的特異点)という言葉を聞いたことがありますか。

現在は産業革命時の変化よりも急激な変化の時を迎えています。

AI(人工知能)が自分自身を改良できる日がやがて来る。

それがシンギュラリティです。

AIによってさまざまな職業が奪われるとも言われていますね。

テレビの情報番組では、かたやAIをとりあげ、予測のつかない先進的な未来が待っているかのように話しています。

かたや深刻な環境破壊について語っている。

そんな状況に私たちは生きていて、何に基づいたライフプランなのでしょう。

人の気持ちや状況は刻々と変化するのです。

「家計簿」も同じ。

ただ書き出したところで「節約」にはつながりません。

大事なのは、「自分の欲求はなんだろう?」と知ること。

家計簿をつける・つけないは、この前提があるかないかで大きくちがってきます。

いるモノはいる。

いらないモノはいらない。

これが吟味されていればまっとうな家計になる、というのが私の考え。

今の自分の素直な欲求がわかっていればムダ遣いにはならないのです。

イラスト/福々ちえ

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108-H1-kazinodanshari.jpg4章にわたって、夜、朝、週末とシーンに合わせたあらゆる家事を軽くする断捨離メソッドが学べます

 

やましたひでこ

東京都出身。早稲田大学文学部卒。学生時代に出逢ったヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」に着想を得た「断捨離」を日常生活の「片づけ」に落とし込み、自己探訪メソッドを構築。初著作『新・片づけ術 断捨離』(マガジンハウス)を刊行以来、著作・監修を含めた多数の「断捨離」関連書籍がアジア、ヨーロッパ諸国でも刊行されている。

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『モノが減ると、家事も減る 家事の断捨離』

(やましたひでこ/大和書房)

「いつかやろうと家事を先延ばしにする」「どうしても部屋が片づかない」あなたに届けたい、「朝・夜・週末」のあらゆる家事の悩みを解決してくれる「断捨離」のメソッド。思い込みを捨てて手間を減らせば、家事はもっと楽しくなります。

※この記事は『モノが減ると、家事も減る 家事の断捨離』(やましたひでこ/大和書房)からの抜粋です。

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