毎日忙しくて「暮らし」や「自分」が後まわしになっている...どこかで整え直したいと思っていても、なかなかできませんよね。でも、「今」も大事ですが、そろそろ「先」のことも考えていきたいところ。そこで、暮らしのエッセイスト・柳沢小実さんの著書『これからの暮らし計画』(大和書房)から、これからの人生を見据えた「暮らしと自分を整える方法」について連載形式でお届けします。
最も好きなのは、中国の古いお皿。緻密に描きこまれた高級品よりも、余白が多くて、のびやかなタッチの雑器に惹かれます。
どんな献立もうつわで華やかに
日本の作家もののうつわを一通り揃えて、今はアジアの絶滅危惧な民芸のうつわを追いかけています。
すでに作られなくなったものや、もうじき姿を消しそうなもの。
店の片隅で、ほこりをかぶっているデッドストックやアンティークのうつわたち。
どれも高級品ではなく、どこかにユルさのある、日常使いの雑器ばかり。
これらが放つ、線香花火が消える前の一瞬のきらめきに似た、強い輝きに心を奪われています。
ほのぼのとした絵つけの、中国・清代のアンティーク。
ほのかにフランスのかおりがただよう、ベトナムのソンベ焼。
古い日用品店の隅に積まれた、裏に中国制造と刻印された、中国のプリントものの食器。
そんな愛らしいうつわを追いかけて、ここ数年は、香港やマカオ、台湾、シンガポール、ベトナム、マレーシアなどへ通っています。
味わいがあるアンティークのソンべ焼き
海外を旅していると、日本の料理やうつわに対する細やかさを再認識します。
料理に合わせてうつわを選び、全体が調和するようにまとめる。
これを一般の人もしているのですから、贅沢なことですよね。
とはいえ、わが家の食卓は、いつも品数が多いわけでも、美しい料理がずらっと並ぶわけでもありません。
うつわのおかげで、なんとか持っているようなものです。
そもそも家庭料理って、そんなに華やかなものじゃない。
シンプルすぎるうつわだと、ちんまり寂しげに見えたりもします。
そこで登場するのが、アジアの柄もののうつわ。
和食器にも馴染み、地味なごはんにも華を添えてくれる、ありがたい助っ人です。
●Point「アンティークとのつき合い方」
食器は清潔さが重要なので、汚れやダメージが目立つものは避けています。
掘り出したらまず部屋で丁寧に洗って、持参したプチプチに包み手荷物で持ち帰ります。
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著書累計36万部のエッセイスト・柳沢小実さんが、食、雑貨、健康、ネットツールと多岐に渡って「暮らし計画」を教えてくれます
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