仕事や大事な場面で「こんなはずでは...」と思うこと、ありますよね? でも、それは能力の問題ではなく、「メンタル力の低下」が原因かもしれません。そこで、作家の中谷彰宏さんの著書『「イライラしてるな」と思ったとき読む本』(あさ出版)から、ピンチでも動じないメンタルが身に付くアドバイスを連載形式でお届けします。
何があってもくさらない
アクシデントが起こって、「チッ」と言った瞬間に、メンタル力はダウンします。
パートナーやチームと仕事をしている時は、その「チッ」がまわりに伝染します。
チームメイトの気持ちのテンションも下がるのです。
タクシーに乗っている時に、運転手さんが「チッ」と言います。
前の車がトロトロして、信号を越えられなかったからです。
運転手さんはお客様のために急いでいて、お客様のメリットの代理人として前の車に「チッ」と言ってくれたのです。
お客様は自分に言われているわけではないのに、何か気まずい空気になるのです。
メンタル力は伝染します。
たった1人で仕事をすることはありません。
少なくとも2人で仕事をしています。
2人のうちの1人のメンタル力がダウンすると、もう1人のメンタル力もダウンします。
1人のメンタル力が上がると、それが伝染してもう1人にもいい影響を与えます。
チーム全体のメンタル力を上げるためには、まず1人のメンタル力を上げることが大切なのです。
【イライラがすっきりする方法】イライラを、伝染されない。
アクシデントは、逃げ切れない
目の前に起こっている現実と向き合う時に、してはいけないことは、逃げることです。
諦めること、断念することです。
メンタル力は、逃げたくなった時に逃げない力です。
調子のいい時は、誰も逃げません。
目の前でアクシデントが起こった時も、決して逃げないことです。
アクシデントから逃げようと思っても、逃げ切れません。
逃げれば逃げるほど、アクシデントは大きくなります。
スポーツの世界では、メンタル力はよく理解されています。
たとえば、メジャータイトルのゴルフのPGAの試合で、最終ホールでトップグループに残っている人たちは、みんなメンタルトレーナーをつけています。
トーナメントリーダーを争っている1位と2位の人が、同じメンタルトレーナーをつけていることもあります。
トップクラスになると、技術の差よりも1人ひとりのメンタルの勝負になるのです。
一流までは誰もがたどり着けます。
一流と超一流の差は、メンタル力の差でしかありません。
アメリカがメンタル力の研究を始めたのは、太平洋戦争中でした。
空軍パイロットは、戦闘の時に緊張の極致でパニックになります。
最新鋭の兵器を開発しても、使うのは人間です。
アメリカはメンタル力の重要性に気づいて、メンタルトレーニングの研究を始めました。
それが後にスポーツに生かされているのです。
銃を持った生身の人間同士が向かい合います。
銃の撃ち方やメンテナンスは、当然トレーニングしています。
それでも実際に銃を撃てる人間は少ないのです。
弾が当たる当たらないという問題ではありません。
目の前に敵がいる時に、自分の持っている銃を撃てる人間は15%です。
残り85%は銃で殴り合いになります。
パニックになると、銃の使い方まで間違ってしまうのです。
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