「主食、主菜、副菜」を意識 たんぱく質も欠かさずに
食欲が落ちる夏は栄養が不足しがちなので注意が必要です。
「低栄養が続くと、体を動かすエネルギーが不足するだけでなく、筋力や免疫力の低下、フレイル(加齢に伴う心身機能が低下した虚弱状態)などのリスクも高まります」と、成澤さん。
「体の健康を保つには、さまざまな食品から栄養を摂ることが大切。『さあにぎやかにいただく※』を合言葉に、バランスの良い食事を心がけましょう」
多く食べられないときは、食事の回数を分けたり、間食でたんぱく質を含むヨーグルトなどを食べても。香辛料や温かいもので、食欲や胃腸の働きを促すのも効果的です。適度な運動も行いましょう。
※さ=魚、あ=油(脂)、に=肉、ぎ=牛乳、や=野菜、か=海藻、(に)、い=芋、た=卵、だ=大豆、く=果物。詳細は日本整形外科学会ロコモティブシンドローム予防啓発 公式サイト「食生活でロコモ対策」へ。
<低栄養が引き起こす主な症状>
・体重の減少
・風邪などの感染症にかかりやすくなる
・筋肉量や筋力の低下(つまずきやすくなる、転倒しやすくなる)
・体力の低下(食欲がわかない→食事量が減る...の悪循環に)
低栄養にならないためには
(1)ビタミンB1を摂る

ビタミンB₁は、糖質をエネルギーに変えるために必要な栄養素。不足すると疲労感など夏バテの原因となります。豚肉、うなぎ、大豆、玄米の他、かつお節にも多く含まれるので、料理にちょい足しするのもおすすめ。にんにくや玉ねぎ、にらなどに含まれるアリシンと一緒に摂ると効果的。
(2)クエン酸で食欲アップ

クエン酸は、日常生活や運動後の一時的な疲労感を軽減することが報告されています。また、クエン酸による酸味は食欲をアップさせる効果も。梅、レモンやキウイなどに多く含まれ、料理に取り入れるとさっぱりとした味わいに。食欲がないときでも食べやすくなります。
(3)水分とミネラルを欠かさずに

大量の汗をかく夏は、水分とともにミネラルも失われがち。こまめな水分補給に加え、味噌汁やスープなどを食事に加えると、ミネラルも補給できて効果的です。旬の野菜や果物、海藻類も良いでしょう。野菜や果物は、暑さや紫外線などで消費量が増えるビタミンCの補給にも役立ちます。
(4)少量でも栄養価の高いものを食べる

食欲がないときは、栄養価の高い食品を少しずつでも摂ることが重要です。特に不足しがちなたんぱく質は3食で意識を。卵、豆腐、ヨーグルトなどは消化が良く、ビタミンも効率的に摂れます。また、ナッツ類も栄養豊富で、少量でもカロリーを摂取できます。




