女性が1日のうち家事にかける時間は2時間24分と言われます。30年間だと...なんと2万6280時間(丸3年間)にも及ぶんです。そんな家事を賢く手放してみませんか? 知的家事プロデューサーの本間朝子さんは、コスパのよい「AI家電」や「家事代行サービス」などを、賢く利用することを提案しています。アラフィフ世代にもぜひ知ってほしい「家事を積極的に手放す」方法を、本間さんの著書『ゼロ家事』(大和書房)より連載形式でお届けします。
スタッフが力を発揮しやすいコミュニケーション術
家事代行サービスを頼んでよかった!と思えるためには、スタッフとのコミュニケーションが大切です。
家にスタッフが入るということは、頼んだあなたはチームリーダーのような存在です。
職場の人間関係に置き換えて考えるといいかもしれません。
プロなら分かるはずという思い込みでなんとなく頼むのではなく、分かりやすく指示をするなど、スタッフが仕事をしやすい環境を考えることも大切です。
・家事のやり方、家事の結果の良し悪しの感じ方は、人それぞれの価値観によって違うものです。多少、不満に感じても、一生懸命やってくれた結果なら「そういうやり方もあるのか」くらいに大らかに受け止めましょう
・不満な部分を伝える場合、「こうしてもらったら、もっと助かる」など、ポジティブな言葉を使った方が、友好な関係を築きやすくなります
・気を遣い過ぎて不満をのみこんでは、頼んだ意味がなくなります。上手な言い方で、やって欲しいこと、やって欲しいレベルをどんどん伝えましょう。スタッフも漠然と指示されるより、その方が仕事がしやすいのです
・家事代行サービスを頼むと、スタッフからプライベートが丸見えになりますが、気にすることはありません。「忙しくて手が回らないから依頼している」ことをスタッフは理解しています。とても散らかった部屋を見ても、「ただの仕事場」と受け止めてくれます
・定期的に頼む場合、だんだん親しくなることもありますが、仕事上の関係だということを意識して、お互いいい距離感でいることも心がけましょう
●料理を頼む場合
プロの味つけでおいしいはずですが、自分や子どもの味覚と合うか不安があるかもしれません。
解決策としては、一品目ができた時に味見をして感想を伝える、複数のスタッフにお願いして好みに合う方を探す、人によって得意なジャンル(和食・洋食・中華など) があるので、 頼みたい料理に合わせて依頼する相手を替えるなどがあります。
また、最後の味つけだけは自分で行い、それまでの準備を全部しておいてもらうだけでも、料理の負担はとても軽くなります。
●掃除を頼む場合
「絶対にやって欲しいこと」「できればやって欲しいこと」を分けて伝える。メモを用意しておくのもおすすめ。
不在中にスタッフに来てもらう場合は、重点的に掃除して欲しい箇所の写真を事前に送って伝えるといった工夫が、満足度アップにつながります。
●身元の保証に関して
知らない他人が家の中に入って仕事をするわけですから、心配な方は身元を保証しているサービス会社に頼むこと。
言いにくいかもしれませんが、最初に身分証明書を直接見せてもらうことが大切です。先方も仕事で来ているので、そこはビジネスライクでOKです。
不安なことは、心の中に溜め込まないようにしましょう。
●プライバシー、貴重品に関して
他人に見て欲しくない場所は、ここは入らないで、整理しないで、と明確に伝えておきましょう。
貴重品は、鍵をかけて金庫に入れておくなど、後々何かあった時に、お互いがイヤな気持ちにならないように気遣うことも大切です。
●定期で頼んだスタッフを変更したい場合
何度か来てもらっても、どうしてもやり方の価値観が合わない、人間的に気が合わない、そういうことはどうしても起こる可能性があります。
その場合は、派遣してくれた会社に相談して、交代してもらいましょう。
言いにくいかもしれませんが、有料で仕事として頼んでいるのですから、ドライな判断も必要です。
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5章に渡って「AI家電」や「家事代行サービス」、「家事をラクにするテクニック」など、実践的な提案が並ぶ「人生のコストパフォーマンスを上げる」ための一冊です。