世界中から愛され続ける女優、オードリー・ヘップバーン。実は、妖精ともうたわれるその容貌に、コンプレックスを感じていたそうです。銀幕の向こう側で抱えていた葛藤、仕事と家庭の両立、死について、など彼女の言葉がまとめられた『オードリー・ヘップバーンの言葉』(山口路子/大和書房)から、現代の女性たちが共感できるオードリーの名言を連載形式でお届けします。
何が一番大切か?
すばらしい歌は歌詞だけではなく曲も大切でしょう。だからあなたが何を言ったかだけではなく、どのように言ったかが大切なの。
話すということについて、「すばらしい歌」に例えて、何が大切なのかを教えたオードリーのこの言葉について、息子のショーンは、ここに「多くの人の心をとらえた母の魅力」があると言っています。
そのさりげなさ、真心をこめた話し方、純粋な心を反映したその声......。『ティファニーで朝食を』の名曲「ムーン・リバー」が世界中の人々を魅了した、その理由も、この言葉から明らかになります。
オードリーは、優しく愛情ゆたかな母親でした。育児の時期には、息子たちのそばにいられることを心から楽しみ、「愛」の大切さを基本にさまざまなことを教えました。「何がいちばん大切なのかをじっくり考えなさい」というのも、オードリーが子どもたちによく言った言葉。
息子たちが、「母の思い出」に多くのエピソードを語れるという事実が、オードリーがいかに彼らとの時間を大切にしていたのかを物語っています。
自分の人生を受け入れる
自分の命のことは自分で決める権利があると思います。ずるずる引きのばされるのは望みません。
パートナーのロバートと二人の息子たちは、オードリー本人に末期癌であることを伝えないよう、病院に頼みました。また、可能性にかけて、化学療法を受けるべきだと考えましたが、オードリーがそれを望みませんでした。
自分の人生をさとっていて、誰よりもそれを受け入れていたのでしょう。
スイス、トロシュナの自宅でクリスマスを迎えることを希望したオードリーのために、親友のジヴァンシーが自家用ジェットを手配。オードリーは感激でいっぱいになってジヴァンシーに電話、心からの「ありがとう」を言いました。
おかげでマスコミに煩わされることなく、ロサンジェルスの病院から自宅に戻ることができたのです。
オードリーは自宅に戻れたことをとても喜んで、そして最後のわずかな日々を、この大好きな家「ラ・ペジーブル」で過ごすのです。
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美・愛・仕事・人生・使命の5つをテーマに、大女優オードリー・ヘップバーンが残した人生のヒントがつづられています