世界中から愛され続ける女優、オードリー・ヘップバーン。実は、妖精ともうたわれるその容貌に、コンプレックスを感じていたそうです。銀幕の向こう側で抱えていた葛藤、仕事と家庭の両立、死について、など彼女の言葉がまとめられた『オードリー・ヘップバーンの言葉』(山口路子/大和書房)から、現代の女性たちが共感できるオードリーの名言を連載形式でお届けします。
白髪は染めない
年とともに自分が変わっていくのがわかります。でもそれを直視しなければ。みんなが経験することですから。
オードリーは、美しさを保つためにもちろん、できる範囲でのことはしていたでしょうが、加齢による変化に、むやみに抵抗することはなく、髪も染めなかったから、五十代にもなると、あちこちに白髪が目立つようになりました。皺だって増えました。
マスコミは『ローマの休日』の妖精がすっかり年をとったことを書きたてましたが、オードリーはそのことに対しては超然としていました。
目じりや唇のわきの皺を隠そうともせず、「これは笑い皺です。笑いほど嬉しい贈り物はありません」と微笑みました。
オードリーの年齢の重ね方は、ほんとうに自然なものでした。
六十代になって、さらに白髪も皺も増えたけれど、美しさは損なわれることなく、それは、アンチエイジングという言葉がすっかり色褪せてしまうような、毅然とした年齢の重ね方でした。
笑顔が幸福を引き寄せる
この世で一番すてきなことは笑うことだって本気で思います。
オードリー・ヘップバーンといって、まず思い浮かぶ顔は、やはり笑顔でしょう。それも、とびきりの笑顔。
オードリーが、若いころから亡くなる直前まで、もっとも大切にしていた美徳のひとつは「笑うこと」です。
その場に「笑い」があることが重要、笑わせてくれる人が大好き。愛する人の笑顔がなにより嬉しい。
笑いについては、色々なところで、そのすばらしさについて語っています。「笑えば、たいがいのことは忘れられる。笑うことは、どんな薬よりも効くの。笑いって人間に一番大切なものじゃないかしら」
オードリーは好んでロマンティック・コメディに出演しましたが、それは「笑い」が好きだったからだし、年をとってからの「笑い皺」は、たくさん笑ったことの証明だから自慢でもあったし、死の数日前まで、愛する人たちを笑わせようとしていました。「私のために笑って」と言っていました。
「笑うこと」、これはオードリーの美に欠かせない、とても大切な要素だったのです。
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