世界中から愛され続ける女優、オードリー・ヘップバーン。実は、妖精ともうたわれるその容貌に、コンプレックスを感じていたそうです。銀幕の向こう側で抱えていた葛藤、仕事と家庭の両立、死について、など彼女の言葉がまとめられた『オードリー・ヘップバーンの言葉』(山口路子/大和書房)から、現代の女性たちが共感できるオードリーの名言を連載形式でお届けします。
揺るぎない軸
きっぱりと決断する人だけが成功するのです。
オードリーには彼女が何を選択しようとも、それは彼女にとって正しいことなのだと人に思わせる独特の素質がありました。
そして優柔不断という言葉からは遠く、状況をあらゆる点から充分に検討し、方針を決めたら即、実行に移しました。
実行に移すのは素早いけれど、衝動で動くのとは違って、考えるための時間はかけます。「私は十三歳のときから自立して、多くの問題を慎重に考えてきましたが、判断を誤ったことは少なかったと思います」
出演作を決めるときも、家を購入するときも、休養するときもそうでした。
どんな行動もどんな発言も、前もって自分自身によって熟考されたものであり、だからこそ、ブレることがほんとうに少なく、決断したことを翻すこともまた、少なかったのです。
経験不足という不安
「身なりは人を作る」と言うけれど、私にとって衣装は、失いがちな自信を与えてくれるものでもありました。
オードリーは本格的に演技を学んだ経験がなく、そのことでつねに不安と闘っていました。
そんなオードリーを支えたのが衣装でした。いろいろなタイプの女優がいるけれど、オードリーは衣装を身に着けることで「変身」できるタイプでした。
オードリーにとって衣装は、格別に重要、印象的なシーンが撮れたときにも「私は何もしていないの、これはすべて衣装の力なのよ」と言うほど。
なかでも親友のジヴァンシーが衣装を担当した映画は数多く、『麗しのサブリナ』『パリの恋人』『ティファニーで朝食を』『シャレード』など、それらを観るとたしかに、オードリーが服に護まもられているように見えてきます。
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美・愛・仕事・人生・使命の5つをテーマに、大女優オードリー・ヘップバーンが残した人生のヒントがつづられています