いろいろと気にしすぎていつも失敗ばかり...意外と多くの人が持つこの悩み、実は「自意識」が原因なんです!臨床件数約8万件の有名カウンセラー・大嶋信頼さんの著書『「気にしすぎてうまくいかない」がなくなる本』(あさ出版)から、過剰な自意識を抑え、人生をラクにしてくれる「無意識」の使い方を連載形式で紹介します。
相手の評価を気にすることから面倒くさい現実は始まる
相手のちょっとした態度から、意識が働いて「あ、この人は私のことを下に見ているな」とわかってしまったりします。
そうしたら「馬鹿にされて蔑まれるかも?」とか「自分だけ仲間外れにされるかも?」と不安になります。そして、不安になればなるほど意識が働いて、いらない前置き(口癖)などを付けて、不安に思っていることを現実にしてしまうのです。
意識は、馬鹿にされて仲間外れにされるようなことが現実に起こっているように錯覚させます。
そこで、こんな面倒くさい現実を作り出す前に、もっとラクに対処できる方法はないの? と私は考えました。
私自身、「何で相手からの評価を気にしてしまうのだろう?」とずっと悩んできました。「自分に自信がないから気になるのかな?」とか「相手を自分の鏡にしちゃって、相手の印象で自分を正そうとしているからかな?」なんてことを考えたこともありました。でも、どんなに自分に自信を持つように努力しても、どんなに相手を自分の鏡に使わないようにしても、「やっぱり相手の評価が気になるんですけど!」となっていました。
しかし、ある時「相手の気持ちがわかる! と思っているから相手の評価が気になるのかも?」ということに気が付きます。
そして、「自分の気持ちすらわからないのに、相手の気持ちなんてわかるわけがないよな」と思った時に人からの評価が気にならなくなり、びっくりしたのです。「自信とか鏡とか関係ないの?」
とこれまでの自分のしてきた努力の方向性が間違っていた、ということに軽くショックを受けました。
「人の気持ちはわからない」のが当たり前
「自分は相手の気持ちがわかる」と思っているから、相手からの評価が気になっていた。このことに気が付いてから、人と接するのが本当にラクになりました。
幼い頃から、親によく叱られて「ダメな子!」と引っぱたかれていましたから、親がちょっとでも不機嫌な顔をしていると「自分の成績が悪かったから不機嫌に違いない」とか「友達に泣かされて帰ってきたから情けない子供と思っているに違いない」などと自動的に親の気持ちを考えるようになっていたのです。
振り返ってみればあの頃も、意識が「情けない子供と思われている」と思った時に、その現実を作り出すために余計なことを言ってしまっていたな、と思います。そうして、自分の意識が現実を作り出しているのにもかかわらず、一方では「やっぱり自分は相手の気持ちが読めるんだ」と思っていました。
だから、いつも相手の気持ちを(読めもしないのに)読んでしまって「あの人は私のことを嫌っている」とか「あの人は私を馬鹿にしている」という現実を意識が作り出し続けてきたのです。
「人の気持ちはわからないんだ」となった時、意識は働かなくなり、無意識が味方になってくれるので、「もう、自分を作らなくてもいいんだ」と人前で役割を演じることがなくなります。
その役割こそが「馬鹿にされる」とか「見下されて邪険にされる」という現実を作り出し、余計に「人からの評価が気になる」という状態にしている元凶なのです。「人の気持ちはわからない」と無意識を味方につけたら、演じる必要がなくなります。
人のために演じる必要がなくなると「自分ってどんな人?」と考えてみるのが楽しくなります。
そして、だんだん「自分って意外とマイペースでお気楽な人なのかも?」とか「本当はかっこよく生きたい! と思っている面白い人なのかも?」ということが見えてきます。
人の評価が気にならなくなると、自分の中からいろんな自分の可能性が見えてきます。
4章にわたり、人間関係や仕事などテーマごとに悩みを解決できる「無意識」の使い方が解説されています