いろいろと気にしすぎていつも失敗ばかり...意外と多くの人が持つこの悩み、実は「自意識」が原因なんです!臨床件数約8万件の有名カウンセラー・大嶋信頼さんの著書『「気にしすぎてうまくいかない」がなくなる本』(あさ出版)から、過剰な自意識を抑え、人生をラクにしてくれる「無意識」の使い方を連載形式で紹介します。
ダメだと思えば思うほど自信が芽生える
以前の私は、意識で「こうしたい!」と思っても、それができず、「自分ってダメだな」とずっと自信が持てずにいました。
昔から「勉強しよう」と思って意識しても、いつも三日坊主で勉強に集中できたことがないし、運動だって「うまくなりたい」と意識しても、ちっとも練習せず、すべてが中途半端で、何に対しても自信なんて持てたことなんかなかったのです。
催眠のお師匠さんにこのことを話した時に「意識では"自信がない"と感じているのですね。でも、私はあなたからゆるぎない自信を感じるんですけど」と言われ、ふと考えました。
自分自身のイメージとしては、親から毎日のように怒られ、殴られ、そして涙を流して惨めな気分でいっぱい。学校に行けばいじめられ、勉強でいじめっ子を見返そう、と思っても勉強がちっともできず、「もう嫌だ!何一つうまくいかないじゃないか」と叫んでいるまったく自信がない自分。でも、「あれ?自信のない私は何でここにいるのだろう?」と、その時思ったのです。
そして、自分が「催眠療法を誰よりも早く学んで、困っているクライアントさんたちを何とかしたい!」と思っている、ということに気が付きます。
意識では「自分はダメなんです。どんくさくて全然覚えられないです!」と言いながらも、「誰よりも早く催眠療法を使えるようになれる」と無意識では自信を生み出していて、いつの間にかお師匠さんの話を誰よりも真剣に聞いている自分がそこにいたのです。
意識で「自分はダメだ」と思えば思うほど、無意識はいつの間にか自信に満ち溢れていて、意識的な自分が「不可能かも!」と思えることに挑戦している。このことに気付いた時、私はとても驚きました。
そして、「もしや私のクライアントさんにも無意識は同じことをしているのかも?」と考えるようになったのです。
意識のバランスを無意識がとっていた
ある日、カウンセリングで「うまく喋れる自信がない」と悩んでいらっしゃる方のお話を聞いていました。その方は「これまで人前でうまく喋れたことがなく、職場でもそれで損をしてきた」と話します。
「もっと自信を持って喋ることができたら自分の人生はどんなに変わっていたのだろう。そう考えると悔しくなるんです」と。
うまく喋れる人たちはいい仕事ばかり持っていってしまい、喋れない自分のような人間が雑用のような仕事ばかりやらされて、いつも残業ばかりになってしまう、と怒ってもいました。
私は意識で「自信がない」と言っているその方の無意識に注目してみることにしました。するとその方が「周りの人たちが話していることには内容がなくて、意味がない」と思っている、ということが話の中から見えてきました。
つまり、その方は相手に理解されないから「うまく喋れない」とおっしゃっていたのですが、無意識的には「自分の話していることが高尚すぎるから理解されないだけ」という自信があったのです。
そして、私がそのことを話すと、その方は「え?自分ってそんなことを思っていたんだ」とびっくりし、「自分はものすごく嫌な人間じゃないですか」と慌てました。
なぜなら、周りの人を「無知」だと見下しているわけですから。
さらに私は、慌てる男性の無意識に、もう一度、注目してみます。すると今度は「周りを見下しているのではなくて語り合える相手がほしい、と思っているだけ」ということがだんだんとわかってきます。
自分と同じレベルで話ができる人が周りにほしい、とこれまた自信に満ち溢れたことが無意識の中から出てきたのです。
意識で「喋りに自信がない」と思っていたら、実は無意識は、ものすごい自信を与えてくれていた。そのため、その方はいつの間にか難しい本を何冊も読むようになっていて、高尚な人が参加するセミナーにもたくさん参加するようになっていったのです。
その方は私とのカウンセリングで、無意識では、自信に満ち溢れている、ということを感じた時に、自然と転職活動ができるようになり、その後「自分と同じレベルで話ができる職場」に入ることができました。
そして、ついには「喋りに自信がない」という悩みからも解放されたのです。
4章にわたり、人間関係や仕事などテーマごとに悩みを解決できる「無意識」の使い方が解説されています