「近所の人が非常識で...」といった悩みを耳にすることもあるはずです。でも、世界に目を向けると、「パジャマで外出」「50歳でもお年玉」など、私たちが驚いてしまうことが「あたりまえ」として行われています。そこで、文化人類学者・斗鬼正一さんの著書『開幕!世界あたりまえ会議』(ワニブックス)から日本ではありえない驚きの常識を連載形式でお届けします。
幼稚園児も飲酒喫煙可
酒もタバコも、日本では20歳未満の子どもは禁止されているのが常識で、台湾、香港でも18歳未満は禁止です。お堅いサウジアラビアとなると、大人でも飲酒を禁止されています。
ところが、反対にゆるゆるな国もあります。ウガンダやベトナムは、お堅い制限などなかったため、幼稚園児が飲んでも吸っても、お咎めなしです。マカオの場合はタバコだけが18禁で、酒は制限なし。中国では酒は18禁ですが、タバコは購入のみ18禁。つまり吸うのは制限なしなのですが、この年齢制限ができたのも、酒が2006年、タバコが2007年とごく最近。それ以前は誰でもOKだったのです。
ヨーロッパでも、イタリア、フランスは酒、タバコとも購入は18禁ですが、飲酒、喫煙は制限がありません。ドイツは酒の種類によって異なり、ウイスキーなどの蒸留酒は18禁ですが、ビール、ワインは16禁ですから、高校生でも買えるし飲めるのです。
【日本人からしたら...】飲酒も喫煙も、国によってこんなにルールが違うのか!
50歳でも独身ならお年玉をもらう
日本では、50歳までに一度も結婚したことがない人の割合を示す生涯未婚率が、2015年の国勢調査では男性23.37%、女性14.6%にものぼりました。
何しろ男性の4人に1人、女性の7人に1人がほぼ生涯結婚しないというわけですし、おまけに2010年に比べて男性3.23ポイント、女性3.45ポイントも急増していて、驚きのニュースとなりました。これでは少子化が進むのは無理もないのですが、もしも香港だったなら、この人たちはなんと50歳でもお年玉がもらえてしまいます。
香港の正月には、既婚者が同僚、親戚、友人、行きつけの店の店員などに日本のぽち袋そっくりの赤い袋に入れた「利是」というお年玉をあげる慣習があるのですが、あげるあげないは年齢とは関係なく、相手が未婚ならあげるのです。もらった人はくれた人が幸せになるようにと「身體健康」「心想事成」など縁起のよい四字熟語を言うのですが、若いころはともかく、ある程度の年齢になれば、もらってもうれしいとは思えなくなります。
結婚していることが一人前の条件という民族は多く、中国でも独身では半人前という考え方があります。そのため、子どもと同じ扱いで「はい、利是!」と言われても、喜べないのです。
【日本人からしたら...】子どもと並んでお年玉をもらうのは、なんとも複雑な気持ちになりそうだな
イラスト/てぶくろ星人
「男女」「生活」など5つのテーマで、世界中から集められた83の"驚きの常識"が!世界から見れば、日本も意外と非常識のようです