柴門ふみさん「80代も20代も恋する気持ちは同じ。恋っていくつになっても訪れるもの」三世代の女性の"恋"を描く《インタビュー》

女三代の恋がどう展開していくのか

柴門ふみさん「80代も20代も恋する気持ちは同じ。恋っていくつになっても訪れるもの」三世代の女性の"恋"を描く《インタビュー》 柴門ふみさん

──夫を亡くし、「恋をする」と宣言したノブ子さんは犬をつれて散歩に出かけます。実際、犬の散歩によって人間関係も広がるのではないかと思いますが、柴門先生はいかがでしたか?

柴門:犬を飼ったメリットのひとつは、犬を通じていろいろな人と知り合えたことです。いわゆる"犬友"ですよね。犬の散歩を通して知り合うので、本名も知らなければ職業も年齢もわかりません。数年経って、ようやく「え、そういう苗字だったんですね」ってびっくりすることも(笑)。面白い関係性ですよね。

──自然とコミュニティができていくのでしょうか。

柴門:散歩しながら挨拶して、「よく会いますね」って。散歩する時間やコースは大体決まっているので、よく会う方とは毎朝のように顔を合わせるんです。特に同じ犬種、同じくらいの年齢の犬を飼っている方とは、言葉を交わしやすいですね。

──そこから、恋に発展することもありそうです。

柴門:ただ、朝から犬の散歩をするのは主婦かお年寄りばかり(笑)。コロナ禍を経て男性も増えましたが、ビジネスパーソンっぽい方はなかなかいません。意外と多いのが植木屋さん。あとは自由業か、50代後半で早めにリタイアした方が多いですね。

──道子さんたち一家が飼っているポメラニアンのポポちゃんは、モデルさんがいるのだとか。

柴門:ポメラニアンを飼っている犬友さんに、「写真を撮らせて」とお願いして、その写真を見ながら描きました。ポメラニアンは、コーギーと並んで好きな犬種なんです。

──このマンガの見どころを教えてください。

柴門:まさにタイトル通りのお話です(笑)。女三代の恋がどう展開していくか、楽しみにしてください。三世代を描いているので、誰かしらに共感していただけたらうれしいです。

 

柴門ふみ(サイモン フミ)

漫画家。1957年生まれ。1979年、『クモ男フンばる!』で、漫画家デビュー。『P.S. 元気です、俊平』で、『第7回講談社漫画賞』一般部門を受賞。『家族の食卓』『あすなろ白書』で、『第37回小学館漫画賞』青年一般部門を受賞。さまざまな世代の恋愛をテーマにした『東京ラブストーリー』『恋する母たち』など多くのヒット作品を手掛け、実写化作品も多数。現在は、10年前にやってきたウェルシュ・コーギーのリンコちゃんと楽しく暮らす。「いつも犬が居た」シリーズは、『いつも犬が居たー老漫画家と老犬の毎日ー』(紙&WEBマガジン『毎日が発見』)、『いつも犬が居たー夫のヒミツー』(ダ・ヴィンチWeb)を同時連載中。

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