嫁ぐ娘を想う父の気持ちに、思わず涙! 共感を呼ぶと話題のあのCMの制作裏話

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愛しいわが子が結婚したいと言い出したら、夫はどんな反応を示すのだろうか。すんなり賛成するとは思えない...と、ひそかに心配している妻は多いといいます。そんな親世代の共感を集めてやまないWeb動画があることをご存じですか?

テレビCMでも話題になっている、佐川急便株式会社の「和菓子屋の父」篇のWeb動画がそれ。「お父さんの気持ちが痛いほど伝わってきて泣けた」「まるでショートムービーのような美しい画面に見入ってしまった」「ドライバーさんに改めて感謝!」などなど、多くの共感の声とともに驚異の再生回数を更新し続けるWeb動画の"制作秘話"をご紹介します。

 

物語誕生のきっかけは佐川急便のドライバーの声でした

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和菓子職人の父と、その父から結婚を猛反対され出席してもらえない結婚披露宴に臨む娘のストーリーは、「わが家もこうなるような気がする」「思わず自分が結婚したときとダブってしまった」と、親世代はもちろん、娘世代の琴線を揺さぶっています。

そんな切ない2人の想いが、会場に届けられたひとつの荷物によって、溢れる涙に変わりわだかまりが解けていく。その絶妙の展開は、あるセールスドライバーの声がヒントになって生まれました。

新CM&Web動画を制作するにあたって、スタッフがセールスドライバーの取材を進めるなか、「自分が担当するエリアのお客様の元に毎日通って信頼を深め、日常の会話をする関係になることがやりがいにもなっている」という話が出たのです。ドライバーに渡される荷物は単なる"モノ"ではなく、それに託された"想い"や"心"。それを大切に確実に届け、つなぐ――。セールスドライバーという仕事の本質を「想いをつなぐ」と言い切った彼の言葉が、父と娘の想いをつなぐ物語の柱となりました。

娘の結婚という特別な出来事に葛藤する父親、父の想いを知って号泣する娘、大事な仕事を任されたドライバー。3人3様の立場と想いが織りなす物語だからこそ、その中の一人に自分を重ね合わせ「わかる、わかる」と共感する人が後を絶ちません。

でも、ひとつ気づきませんか。そう、この物語には"夫と娘の衝突を複雑な想いで見守る妻"が登場していません。だからこそ、「うちがこんな状況になったら...」「きっとこんな日が近い将来訪れるはず」と見えない妻に自分を置き換える中高年の女性が、Web動画を何度も再生しては自分なりのサイドストーリーを膨らませているようなのです。

 

見守るスタッフももらい泣きした花嫁の号泣シーン

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制作チームが最もこだわった場面といえば、クライマックスで花嫁が涙を流すシーン。晴れの日を喜びながらも父が披露宴に出席していないという寂しさを抱えた花嫁が、ケーキカットを迎えた瞬間から見る見る表情を変え、最後は大粒のうれし涙を流し続ける姿に、「思わずもらい泣きしてしまう」「私もそうだった」と共感する人や「泣きたいときにWeb動画を再生して、心地よい涙を流させてもらっている」という人まで。

父の想いと愛が詰まったサプライズを目の当たりにして、驚きとともにウエディング和菓子ケーキを作る父の姿を思い浮かべる花嫁の姿に、かつての自分を重ねる人、いつか嫁いでいく娘の姿を重ねる人をはじめ、不器用ででも心から娘をいとおしんでいる父の愛情に思いを馳せる人など、さまざまな想いをかきたてる名場面です。

撮影現場では何度もテイクを重ね、そのたびに花嫁役は涙を流し続けましたが、それを見守るスタッフも思わず胸を熱くしては号泣してしまったとか。「お父さん...こんなの...切れるわけないじゃん」という、本当は心が通じ合っている父娘ならではのひと言も胸をグッとつかんで離しません。うちの娘だったら、なんて言うかしら...。そんなことまで思わず考えてしまいますね。

 

完成までに3 日間を費やした和菓子ウエディングケーキ

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また、感動のシーンに登場する、世界にひとつのウエディング和菓子ケーキも大きな話題を集めています。このケーキをもっとじっくり見たい!とWeb動画を再生する人も大勢。それもそのはず、なんとこの和菓子のウエディングケーキは、完成までに3日間を費やした、こだわりの逸品だからです。

和菓子の師範資格を持つフードコーディネーターとクリエーティブスタッフでアイデアを出し合って、複数のデザイン原案を作成。さらに、京都の老舗和菓子処の菓子職人にも取材してアドバイスを得た結果、実際に作られた和菓子ウエディングケーキは3 種類! その中から選ばれた1つが撮影までにブラッシュアップ、本番用に3 日間を費やして作られました。

ケーキを囲む「練切(ねりきり)」という和菓子は、吉祥のシンボルを模した松竹梅を象徴したものです。

また、その背景にある和菓子屋という舞台設定も絶妙です。繊細で美しい日本の伝統文化を生かした情緒と空気感溢れるカットがストーリーの合間に入ってくることで、より感動的な世界観を演出しています。

丁寧にひとつひとつの和菓子を作り出していく父は、きっとその手で娘の頭や顔をなでてきたに違いない。佐川急便のセールスドライバーに和菓子を託す真摯なまなざしと職人としての誇りで、大切な娘を見守り、教え育ててきたに違いない。そんな父と娘の長い長い歳月まで思わずにはいられない美しい映像は、まさにショートムービーのよう。「その世界に浸りたくて、何回もリプレイしてしまう」という声にも納得です。

 

とどめを刺す、セールスドライバーの最敬礼

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そして、そんな2人の物語をさらなる感動で締めくくってくれるのが、ラストの佐川急便のセールスドライバーの最敬礼です。結婚式場に向かって深々と頭を下げるドライバーの姿には、新婦の末永い幸せを祈る気持ちと、大事な仕事をまかされたのだという厳粛な使命を改めて感じ、その万感の想いが込められています。

「もしかしたら自分のときもこんな人がいてくれたのかもしれない」「私が荷物に託した想いはこうやって丁寧に届けてもらえているんだ」と、それまで父と娘のストーリーにグッと入り込んでいた気持ちがハッと我に返る瞬間、また新たな感情がわきあがってきます。自分の仕事も同じだ、と誇りを喚起される人も多いことでしょう。

結婚、父と娘の葛藤、仕事に込められた想い......さまざまな角度から心揺さぶられるこのWeb動画。夫婦で。一人で。娘を送り出す親世代には、ぜひじっくり見たい名作です。

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