夫婦のこと、老親との関わり、子どもの成長、自身の体調の変化...50代はまだまだ悩みや迷いが多い年代ですよね。そんな50代こそ、大人の「ひとり時間」を充実させて自分らしく輝きませんか? 毎日が発見ネットの連載でもおなじみ、中道あんさんの著書『50代、もう一度「ひとり時間」』(三笠書房) より、「50代からの人生を心豊かに過ごすためのヒント」を連載形式でご紹介します。
足るが幸せ
「もし、宝くじが当たったら......」誰でも人生で一度は想像したことがあると思います。
私なら、まず、家を買い替えます。
それから食事。
今みたいにマメにご飯を作るかな?
いや、きっと外食三昧でしょう。
仕事は?
やめるだろうな。
毎日遊んで、思いきり買い物もして......。
でも、これって本当に豊かな生活なのかしら?
お金と豊かさのバランスとは?
ママ友に、実家が会社を経営しているというお嬢様がいました。
彼女は小さいころからとても裕福な暮らしをしていたけれど、食事はいつもお手伝いさんが作ったご飯か外食で、お母さんの手料理を一度も食べたことがないそうです。
だからこそ反対に、ご飯を手作りしてくれる親の愛情や、その愛情を受け取る幸せがよくわかると言っていました。
たしかにお金はあればあるほど安心です。
でも、お金があれば、人生が豊かになるか、幸せになれるかというと、そうとは言いきれないと思います。
人気の高級タワーマンションの一室が格安で売りに出されたのですが、それは、もともと住んでいた高齢男性が散らかし放題にして、部屋がゴミ屋敷と化してしまったからだそうです。
いくらいいマンションに住んでいても、自分で管理しきれず、ゴミの中で生活しなければならないなら、それは豊かな暮らしとは言えません。
ただ、お金がなさすぎるのは大問題。
今日を生きるお金がなければ、幸せは感じられないでしょう。
結局のところ、人生を豊かにするのは、必要最低限のお金と、あとはその人の暮らし方次第なのではないでしょうか。
丁寧に、こまめに暮らす
だから、私はできるだけ丁寧に暮らすことを心がけます。
わが家は、雑誌や人気ブログに出てくるようなお洒落な住まいではないけれど、こまめに掃除をして、季節の花を飾り、できるだけ心地よく過ごせるように努力しています。
それから食事も大切なので、家族が「おいしい」と言ってくれる料理を作り、できるだけきれいに盛りつけたり、テーブルコーディネートをしたりします。
着る服は流行を追いすぎず、できるだけ質のよいものを必要なだけ持って、丁寧に扱い、いつもきれいにパリッとした状態を保っています。
友人からは「マメやなぁ」とよく言われるけれど、私は私にできる最大限の心の豊かさを追い求めているのかもしれません。
欲張りなのです、私は。
でも、ないものねだりは禁物です。
自分の身の丈に合った生活をすることも忘れてはいけませんね。
「足るを知る者は富む」
老子の言葉で、欲に惑わされず、分相応の現状で満足できる者は、心が豊かであるという意味です。
人生の折り返しを過ぎて、そろそろ「老後」も現実味を帯びてくるアラフィフの私には、心に沁みることわざです。
言葉の意味を噛みしめながら、金銭的な豊かさより、心の豊かさを大切に、毎日を過ごしていきたいのです。
アラフィフブロガーの、大人の「ひとり時間」を楽しむ心豊かな暮らしが綴られた一冊