仕事にお金、住まいなど、これからの暮らし方に悩むことも多い40代。日々を楽しむために、「自分が大切にしたいことを暮らしに取り入れて、いらなくなったものをなくしている」と言う人気モデルでデザイナー、母でもある香菜子さん。今年で45歳を迎えた彼女が、40代からの暮らし方をまとめたフォトエッセイ『毎日、無理なく、機嫌よく。』(すばる舎)から、気持ちを軽くして日々を過ごせるヒントを連載形式でお届けします。
肌にしていること
朝の肌のケアは、基本的に洗顔をしていません。
肌のきれいな女優さんが、ずっとこのケアをしているというのをテレビで拝見し、以来ずっと続けています。
信頼しているヘアメイクさんも、「夜に洗顔しているから、朝は洗顔しなくても汚れてないから大丈夫!」と言っていました。
夏は、化粧水を含ませたコットンで、ふきとりも兼ねて肌に水分を補給していきます。
冬は、その前にホットタオルで顔を覆い、じんわり温めて血色をよくします。
どちらもとても気持ちいいので、「やらなくちゃ」と言うよりも、早くそれをやりたい、と毎朝思っています。
だから、これは朝のお楽しみのひとつです。
このケアを始めると、徐々に体の中のエンジンがかかってきて、OFFモードからONモードへ気持ちが切り替わるのを感じます(顔も、ね)。
コットンだけでは水分補給がまだ満足しないので、次は、手に化粧水を出し、軽くパッティングをしながら、さらに肌に水分を補給していきます。
ぱんぱん叩いていると、今日も1日がんばるぞ!という喝入れにもなります。
さて。
化粧水のあとは、保湿効果のある乳液(またはオイル)をのせながらマッサージをしていきます。
まず、顔全体に塗ったら首までのばします。
そこで鎖骨の上をプッシュ。
リンパを流す準備です。
次は、手をグーにして、両人差し指の第二関節を使いながら、頬骨の下を鼻の横から耳のつけ根に向けてグリッと2~3回スライドして刺激します。
耳のつけ根まで来たら、そのまま首から鎖骨まで押しながらスライドします。
これも2~3回。
顔のむくみも軽減されてすっきりします。
若い頃だったら、朝の洗顔のあとにリンパマッサージなんてしなくても肌の調子はよかったけれど、年齢とともに、放っておくと、すぐに拗ねるようになってきた自分の肌。
よしよし、とかわいがりながら、肌も自分も機嫌よく。
この一連の動作で、化粧水と乳液(またはオイル)で肌の保湿をしながら、ついでにマッサージもできてしまうので、一石二鳥。
さらには、手にまだ残った化粧水や乳液を、肘や手の甲にも塗って保湿してしまいます。
二鳥どころか一石三鳥ですね。
時短と美が同時って、なんだかとっても得したような気持ちになりませんか?
美容関連のケア用品は洗面台そばの棚に並べて。左から瓶に入れたコットンパフ、綿棒、ラトビアのミツロウクリーム、オリジナルで作ってもらったパフューム、楊枝(歯のすきま掃除に)、ヘアパフューム。化粧水。下段はヘアケア用品など
得したところでメイクに入ります。
下地、ファンデーション、アイブロウ、ビューラー、マスカラ、アイシャドウ。
チークは口紅をちょんちょんして伸ばすだけ。
そして、そのまま唇に色をのせてできあがり。
時間にして10分かかっていないかも?
20代の頃からメイクの手順はほぼ同じですが、40代になった今、気をつけているのは「今年らしさ」を少しとりいれること。
アイシャドウの流行色を自分流にとりいれてみたり、口紅は今の流行のゾーンに少し入りつつ、似合っている色選びも大切だと思っています。
なので、デパートなどへ出かけた際に、さりげなくイマドキの色はチェックしています。
とくに眉毛は、今っぽさが一番出る重要な部分だとヘアメイクさんから聞いたことがあります。
色、太さ、長さなど、どれかを少し変えるだけで、顔全体の印象が変わって見えるそうです。
だからこそ、眉にトレンドをとりいれていないと、時代遅れ感が出てしまうかも......。
雑誌やSNSなどから情報を集めたり、自分に似合うのはどんな眉の形なのかをおさえておくといいかもしれません。
その時その時で年齢とともに課題は変わっていくので、少しずつアップデートしていけたらいいいなあ、と思っています。
写真/砂原 文
第1回から読む:捨てて売って、モノを減らして、ふと気づいたこと
40代からの暮らしは自分のために。「毎日、無理なく、機嫌よく。」記事リストを見る
「自分のものさし」「体と心の管理」など、5つの視点で「40代の自分」との向き合い方がわかるヒントが散りばめられています