12月22日は「働く女性の日」って、ご存じですか。ことし8月に総務省が発表した調査によると、15歳から64歳の女性の「就業率」は69.9%と過去最高に。そんな働く女性、特に子育て中のワーキングマザーの間で佐川急便株式会社のテレビCM「母になって」篇が話題になっています。このCM、実は137秒のロングバージョンのWeb動画『母になって』篇も公開されていて、10月31日の公開以来、12月21日までになんと再生回数170万回を突破しました。
『毎日が発見ネット』編集部でも「あれ、いいよね」「わかる~!」「気持ちがぐっとラクになる」などなど、数多くの共感の声があがるほど! なぜこれほど多くの女性たちの心をつかむのか? その秘密に迫ります。
泣きやまない赤ちゃんに戸惑う新米ママ
不安や戸惑いでいっぱいの育休中、実家の母親から届いたメッセージに勇気づけられた女性が、子どもと一緒に成長していくストーリーは、「私もそうだった」「うちの娘もこうだったのかしら」「母はこんな思いで頑張っていたのかも」と、働くママはもちろん、それを見守る親世代、育てられている子ども世代と3世代にわたる人々の胸を揺さぶっています。
やりがいのある仕事に就き、仲間と支え合いながらイキイキと働いていた女性が、結婚・出産という人生の転機を迎えて初めてぶつかった"育児"という壁。抱いてもあやしても泣きやんでくれない赤ちゃんに戸惑う主人公の姿は、「まさに出産当時の私と同じ」「ノイローゼになりそうだったあの頃を思い出す」と、瞬時に多くのママたちを出産後の大変だった当時へと引き戻します。
言葉が通じないむき出しの命を抱えている緊張と不安、社会から取り残されているような焦り、仕事や職場から遠ざかっている孤独。産休・育休中の女性が直面する葛藤ははかりしれません。
そんなときに届いた田舎の実家からの荷物。添えられていた母親からの手紙を手にし、そのメッセージに思わず涙ぐむ――。主人公である新米ママの元に届いたのは、贈り物という"モノ"だけではなく、そこに込められた"想い"や"愛"でした。
30秒のテレビCMには登場しませんが、実は贈り物は1つだけではありません。Web動画では、もう一つのうれしい"エール"が届き、主人公をさらに喜ばせ安心させます。自分を見守り応援してくれている人たちがいるという喜びが、主人公の大きな支えになっていく。「そう! 私もうれしかった」「つながってるんだ、と実感できる」と多くの共感を集めている、荷物の送り主は誰だったのでしょう。ちょっと気になりませんか。
娘の胸を打つ母からのひと言
実家からの贈り物は、親子おそろいのブランケット。でも、主人公をハッとさせ、涙を流させたのは添えられていた母からのメッセージでした。「まずはあなたが笑顔でいること」。その短い言葉には、慣れない育児に戸惑う娘を思いやる幾多の想いが込められています。
「いいお母さんになりなさい」でもなく、「ちゃんと子育てしてね」でもなく、ただただ娘が幸せであってほしい、笑顔で日々を過ごしてほしいと願う親心。出産・子育てという同じ道程を歩んできた母親だからこそ伝えられる、最善最強の子育て訓です。
育休真っ只中のママたちは「そういえば、笑顔なんて忘れていた」とドキリとし、「そうか。そこからでいいんだ」と気づかされるとか。まるで自分が主人公になったかのように肩から力が抜けた、癒されたという声が続出しています。同時に「私も同じようなことを言われて心が軽くなったっけ」と思い出す先輩ママたちも大勢。
また、「私が送った荷物や手紙も、こうして娘の支えになったのかしら」と主人公の母親の立場に自分を置き換えて回想したり、自分だったらどんな言葉をかけてあげるだろう...と考える親世代も。画面から投げかけられた言葉は、さまざまな人の心に深く響いてやみません。
母を驚かせ、喜ばせる子どもの何気ないひと言
子育て世代のママの共感を集めているもう一つの名場面が、主人公と成長した娘の朝のシーン。育休を終えて仕事に復帰した主人公は、娘がふいに言ったひと言に驚き、子どもの成長の喜びを実感します。
「ママはおしごと。みーちゃんは保育園がおしごと」という娘のセリフと、その言葉にハッとする主人公の表情。「私もこんなことがあった!」と思わず温かい気持ちにさせられる場面は、CM&Web動画を制作するにあたって取材していたスタッフが得た「子どもの成長に日々驚き、刺激を受け、自分も仕事で成長していく力をもらっている」という佐川急便の女性社員のエピソードから生まれたといいます。
何気ない日常にも小さな奇跡や感動があふれていることに気づかせ、思い出させてくれる主人公と娘の笑顔が、子育て世代の心をグッとつかんで離しません。「うちは息子が小さな手で頭をなでてくれたときだったなぁ」「泣かずに通園してくれたときのうれしかったこと!」など、あんなこともあった、こんなこともあったと思い出させてくれるシーンです。
さらにWeb 動画では、テレビ CM では表現しきれないエモーショナルなシーンが上質な映像美で大切に描かれています。映画のワンシーンのように美しく切り取られた1 カット 1 カットから伝わってくるのは、主人公の心の動き。柔らかい光に満ちた室内が子どもの誕生という幸せや充実感を伝えながらも、せわしなく回転するベビーメリーはママの気持ちを象徴的に表現しています。何かに追われ続けるような出産後の焦燥や不安は、クルクル回り続けるベビーメリーそのもの。でも、主人公が笑顔と落ち着いた日常を取り戻していくにつれて、回転するスピードがゆっくりになっていくという絶妙さ。
育休という閉塞的な時間から抜け出した主人公が、娘と迎える明るく開放的な朝という"内から外へ"という場面展開も秀逸です。親子で歩く場面に飛んでいるシャボン玉は、日常できらめく何気ない、けれどキラキラと輝くかけがえのない一瞬の象徴。こうした細やかなで丁寧な描写と心憎い演出が、見る人の心に響き、より深い感動を生み出しています。
今まさに、その閉塞感にさいなまれているという新米ママたちが「いつか自分もこんな日が来る!と思いたくて、Web動画を何回もリプレイしてしまう」というのも納得です。
自信に満ちた母の澄み切った笑顔
そして、ワーキングマザーたちを一番元気づけているのが、颯爽と働く主人公の笑顔。母からの手紙をお守りにしながら、新たな気持ちで仕事に励む主人公のかっこいいこと! 母のメッセージに涙ぐむのではなく、さらなる笑顔に変えて前進する主人公は、プロのセールスドライバーそのもの。
この働く女性の姿に、子育て世代は「私も子どもの目にこう映ってたらいいな」と思ったり、親世代は「娘もきっとこんな顔で働いているのね」と安堵したり。中には「ママも外ではこんなにかっこよく働いてるの?」とうれしい質問をする子どもたちまでいるとか。
また、配達先で"かつての自分"に出会った主人公が、赤ちゃんを抱っこしているママを思いやって荷物を「ここに置かせてもらいますね」と邪魔にならないところへ下ろし、赤ちゃんをあやす気遣いは、主人公の成長を描くだけでなく、日常のほんのささいな出来事が誰かを支え、励ましていることにも気づかされます。「そういえば、うちに来るセールスドライバーさんもやさしかった!」「あのとき気遣ってもらったことが、涙が出るほどうれしかった」と思い出すママたちも少なくありません。
子育てや仕事は、長い長い道程。だからこそ、途中で途方に暮れたり、泣きたくなったり。そんなときに見ると、癒される~、元気や勇気がもらえる!と多くの女性から共感を得ている、このWeb動画。どんな育児書や啓蒙本より必見です。