腹痛やイライラ、体のダルさ...。女性ホルモンによるつらい症状、あなたはどうしていますか? 実はこうした「生理痛や更年期障害などの女性ホルモンによるつらい症状」は、20~50代女性の約7割が経験しつつも、医療機関に相談したり治療をする女性はそのうちのわずか1割程度なんだそうです。
生理痛、更年期障害...女性の約7割に症状が
これは、あすか製薬が全国の20~50代の男女832人(男女各416人)に、インターネット調査で実施したアンケートによるもの。
その調査から「女性ホルモンによるつらい症状」をどのように捉え、またどう対処しているかがわかってきます。
まず、「生理痛や更年期障害などの女性ホルモンによるつらい症状があるか」の問いについては、67.3%の女性が「つらい症状を感じる(症状を感じる+やや症状を感じる )」 と答えています。
20代が75.0%、30代が79.8%と、若い世代の方がつらさを感じているという結果に
そして、具体的な症状としては「腹痛」(72.7%)、「イライラ」(68.2)%、「だるさ」(63.0%)などが挙げられています。
また、これらの症状についての周囲の反応についても、以下のような具体的なエピソードが紹介されています。
「夫は毎月の生理による私の体調不良は 、 わたしの管理不足のせいだと思っている。自分ではコントロールできないホルモンバランスの乱れの辛さは 、 理解されないんだな
と思い悲しくなりました」(愛知県、35歳女性)。
「『生理は病気じゃないから痛いと言うのは大袈裟』と言われ傷ついた。出血過多で貧血になりフラフラすると、食生活が悪いと言われたのも辛かった」(長野県、46歳女性)。
「関節痛や頭痛、強烈な眠気やホットフラッシュが時々起こりますが、職場の人には気遣ってもらえない。女同士でもわかってもらえないのが辛い」(東京都、50歳女性)。
こうしたコメントからも、体調不良に加え、「周囲に理解されないつらさ」という精神的なストレスが負担になることがうかがえます。
実は医療機関へ行く女性はわずか1割⁉
さらに、「女性ホルモンによる女性特有のつらい症状を自覚する」女性330人に、こうした症状について対処方法を聞いた結果は以下のようになっています。
「痛み止めなどの市販薬を飲む 」(58.5%)、「休養を取る/安静にする」(47.6%)、「お腹や腰など、体を温める 」 (42.1%) 、 「 たくさん寝る」(38.5%)、「お風呂にゆっくり入る」(24.8%)が上位に挙げられています。
市販の薬を飲んだり、休んだり、温めたり...という「手軽な方法」が多く選択されている一方で、「医療機関に相談する」は11.2%と少なく、「医療機関で処方される薬(月経困難症の治療薬など)で対処」(10.6%)や「医療機関で処方されるホルモン補充療法」(4.8%)など、医療機関で「積極的に治療」を行う女性は少ない、という結果となっています。
さらに、こうして「何らかの対処」をしていると答えた女性305人に、「現在の対処方法に対する満足度」を聞いた結果、「満足している」と答えたのはわずか11.1%。
一方で「どちらともいえない」「あまり満足していない」「満足していない」は 55.4%と半数を超え、「現在の自分の対処方法が十分とはいえない...」と感じている人が多いことがわかります。
年間6000~7000億円の損失につながる⁉
こうした結果を受けて、慶應義塾大学名誉教授で産婦人科医の吉村先生は、「つらい症状への対処法として医療機関へ行っている人が1割程度と極めて低く、約6割の女性が市販の薬で対処していることが非常に驚きでした」と言います。
「市販薬を飲むことや体を温めることは決して悪いことではありませんが、これらの対処法は根治療法ではありません。思春期から月経トラブルを解決していくことは、将来の骨粗しょう症、糖尿病、脂質代謝異常などの生活習慣病の予防につながるため、月経痛や月経困難症などのつらさを取るためのファーストラインとして、産婦人科医に相談することが大切です」(吉村先生)。
さらに吉村先生はこんな指摘もされています。
「こうした女性の女性の月経に伴うつらい症状により会社を休んだり、集中できなかったりすることで、年間約6000~7000億円もの経済損失があるといわれています。こうした症状は、女性が社会で活躍するのを妨げる要因の一つなのです。女性がいきいきと社会で活躍していくためにも、つらい症状をがまんせず、適切な治療を受けることをお勧めします」。
自分なりの対処法を探して!
女性ホルモンによるつらい症状に悩む人は決して少なくないものの、その対処法は十分ではない、という今回のアンケート結果。「心当たりがあるわ...」という人も多いと思います。
今回のアンケートを発表したあすか製薬では、女性のカラダや女性ホルモンの基礎知識を紹介するWEBサイト「女性のための健康ラボ Mint+」(https://www.aska-pharma.co.jp/)を開設しているので、気になった人は参考にしてみてはいかがでしょう。
また、長く自分と向き合ってくれる、いわゆる「パートナードクター」となる婦人科医を探すなど、「つらい症状」を一人で抱え込むことなく改善していく方法を、ぜひ検討してみてください。