自分にとって本当に必要なものを見極め、物を少なくすることで、人生の質を豊かにする"ミニマリスト生活"に注目が集まっています。ただ捨てているだけのビニール袋や、使い残した乳液の意外な使い方を森秋子さんの『使い果たす習慣』(KADOKAWA)からピックアップ!
◎ものが増えると、家事もケンカも増える
私たちはつい、物を沢山持っていることが豊かだと思いがちです。けれど、本当にそうなのでしょうか? 『使い果い果たす習慣』の著者の森秋子さんも、以前は「生活を便利にしてくれそう」なグッズをつい100円ショップで買ってしまったり、家をキレイにするための収納グッズを買ってみたり、家族でショッピングモールで買い物することが週末レジャーになっていたり...と消費する生活を送っていたそうです。けれど、買っても買っても「足りない」気持ちがなくなることはなく、完璧を求めてさらに買い物をし、家にものが増えて、掃除や管理するだけでもイライラしてしまうような毎日でした。
ある日、もうイライラしたくない!と思い切って物を手放して暮らしてみたら思いのほか快適。そこからどんどん物を減らすうちに、「足りない」から「今あるものを楽しみつくす」視点に変わり、生活の満足度も上がり、家事もラクになり、家族のケンカも減り、貯金も増える...といういい循環がどんどん起きてきたのだそうです。
書籍では、楽しみながら大切なものだけに囲まれて暮らすヒントをたっぷり紹介しているのですが、中でも秋子さんのオススメが、「家堀り」の習慣です。何か足りない!と思ったときに、すぐに物を買いに行くのではなく、家にあるものでなんとかしよう...探し、工夫する生活が「家堀り」。この楽しさにはまると、どんどん家から不要なものがなくなり、快適にすっきり暮らせるようになっていきます。
例えばダイレクトメールが入っていた袋で作る「ビニール袋スポンジ」。
◎ビニール袋は最高の掃除スポンジ
掃除用のスポンジは放っておくと、スポンジ自体にカビが生えたり、雑菌が繁殖したり。きれいにするために買ったのに、そのスポンジをきれいにするための処理をしなければいけないと、無駄なループにハマっていませんか? 実は、ビニール袋さえあれば、簡単にそのループから抜け出せるんです。
方法は簡単。ビニール袋を手でくしゃくしゃに丸めて、それを掃除スポンジにするだけ。特に優秀なのがダイレクトメールが入っているビニール袋。コシがあり丈夫な素材なので、ガンコ汚れにも負けません。好きな形に丸められるので、手にフィットするのも高ポイント。専用のスポンジを買いそろえる必要がない"ビニールスポンジ"は、バスタブ、壁や床、排水溝までこれ1つできれいにしてくれます。さらに、使い捨てだから、スポンジのニオイや雑菌の繁殖を気にする必要もナシ!
これがビニール袋スポンジ。色や模様のあるビニールは色移りするので裏返して使おう
◎使わない乳液やクリームでトイレ掃除
肌に合わなくて途中で使うのをやめた乳液や、クリーム、スキンケアの試供品など、もう使わないと分かっていても何となくもったいなくて、捨てられないという人も多いのでは...。実はこれもトイレ掃除に活躍してくれます。
「洗剤類だけでなく、乳液、リンス、クリームも油と乳化剤が入っているので掃除に役立ちますよ」と著者の秋子さん。ものによっては市販のトイレ用洗剤よりも汚れが落ちるものもあるそうです。香りもいいものも多いので、掃除していて楽しいのもポイント。トイレ掃除以外にも、洗面台や風呂掃除などもきれいにできます。
専用の洗剤やスポンジを使わなければきれいにならない、という思い込みを少しずつ減らしていけば、物が増えることもありません。一度、無くても大丈夫なんだ!という感覚を味わえば"無い"という状態に不安を感じることもありません。物に依存しない生活は、家のスペースも広くなり、心にも余裕を与えてくれるはずです。
文=山岸南美