手間ひまこそが人生の栄養。80代"農チューバー"ひろちゃんの「ご機嫌な暮らし」の耕し方

『今日も明日も新しいことに挑戦! 80代、ご機嫌に生きる人生の耕し方』 (ひろちゃん農園/KADOKAWA)第5回【全7回】

「失敗するのが楽しい」と話すのは、我流の農作業を配信するYouTubeチャンネルで人気者となった、「ひろちゃん農園」のひろちゃん。80代にして体は元気、心はさらに豊か。彼女のモットーは、「人ができることは、自分もできる」。「もう年だから」「失敗したら恥ずかしい」とブレーキをかけてしまいがちですが、ひろちゃんにとっては失敗さえも、人生を彩る大切な「遊び」なのです。そんな彼女の清々しい生き方のヒントが詰まった書籍が『今日も明日も新しいことに挑戦! 80代、ご機嫌に生きる人生の耕し方』(KADOKAWA)です。今回はこの本の中から、力強くも温かい、ひろちゃんのメッセージをお届けします。

※本記事はひろちゃん農園 (著)による書籍『今日も明日も新しいことに挑戦! 80代、ご機嫌に生きる人生の耕し方』から一部抜粋・編集しました。

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楽しいのは収穫まで。収穫したら「次、何育てろか」

私の場合、種を発芽させるところから野菜栽培をスタートさせます。種苗店やホームセンターなどではさまざまな種類の野菜の苗が売られているので、ベランダなどでこぢんまりと家庭菜園をしている人や、野菜を栽培してまもない人は苗を活用するのもいいと思います。

けんど(だけど)、私は1年中いろいろな野菜を育てゆうから、種より値段の高い苗を買いよったら、お金がどんどん飛んでいくがよ。最近は、種も値上がりして悩ましいけど、苗より安い種から育てることにしています。

スーパーなどで売っている野菜は「ナス」「スイカ」「トマト」という感じで表示されちゅうけど、同じ野菜でも品種はいろいろあるきね。

いつも通いゆう前川種苗店さんで、「この品種、育てたことないわ」「次は何を植えよか」と物色するのが楽しいです。

通販で種を取り寄せることもありますが、同封されている商品カタログを眺めるのも好きです。「これ買おう」「あれも注文しよか」と購買意欲が上がるので、長男から「また買うが?」と呆れられることもあります。

やっぱり、種をまいて、芽が出て、するすると伸びていくのを観察すると、ワクワクしてくるがよ。ちゃんと育てちゃらんといかんという気になります。

種をそのまま土にまく場合もありますが、前処理として水を浸した布やキッチンペーパーの上に載せて吸水させて、芽がちょこっと顔を出したのが確認できたら土に植えることもあります。

育苗した苗を土に植えるときも、元肥えをしっかり与えた方がいいのか、生長途中で追肥した方がいいのか、などが野菜によって違います。

水のやり方も野菜ごとに変えんといかんので、手間もひまもかかります。

病気・虫対策や、カラスやハクビシン、たぬきなどに食べられることも警戒する必要があります。病気や虫はちょっと怪しいなと気づいたときには、手遅れであっという間に広がってしまう危険もあるから、ホンマに神経を使います。

虫は小さいですし、葉の裏などに隠れるようにして潜んでいることもありますから、作物一つひとつを注意深く見るしかありません。家庭菜園をやり始めた若い頃は、虫を見て「ぎゃああ~」と大げさに反応していましたが、もうすっかり慣れました。手でひょいとつまみ上げて、「あんたかね、私の野菜に悪さしゆがは」とひと声かけてから、ブチッとやります。

本やインターネットで調べて、卵酢や納豆菌、竹酢液、木酢液、牡蠣殻石灰と酢を混ぜたものを薄めた液などを作物にかけたり、根もとに与えたりしました。

アブラムシがべったり付いたときは、刷毛で落としたり、洗い流したり、酢と焼酎、木酢液を混ぜたストチュウ液をかけたりしたものです。

そもそも、虫が嫌う土にしたらいいんじゃないか?と考えて、苗を植える前の土作りの段階で籾殻を燻した籾殻燻炭を混ぜる、太陽熱で消毒するということもやってみました。

たぬきなどの獣が畑に侵入して作物を食べんように、果物の実に袋を被せたり、ビニールハウスの入り口を高くしたり、畝にネットを被せたりもしています。獣も好物を食べるために必死やき、知恵比べやなと思うちょります。

これらは、私が試したことのごく一部で、他にもたくさんやっています。あるのは、「もっとおいしく育てるにはどうしたらえいろうか?」「弱った作物を元気にしてやりたい」という気持ちだけ。

畑しごとの何が楽しいって、収穫するまで。収穫したら何とも思わんし、「収穫した野菜で何作ろう」という興味はないき。それより、「あの何も育ててない、遊びゆう(遊んでいる)畑へ何を植えよか」とこれからのことを考えてます。

 
※本記事はひろちゃん農園 (著)による書籍『今日も明日も新しいことに挑戦! 80代、ご機嫌に生きる人生の耕し方』から一部抜粋・編集しました。
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