『今日も明日も新しいことに挑戦! 80代、ご機嫌に生きる人生の耕し方』 (ひろちゃん農園/KADOKAWA)第2回【全7回】
「失敗するのが楽しい」と話すのは、我流の農作業を配信するYouTubeチャンネルで人気者となった、「ひろちゃん農園」のひろちゃん。80代にして体は元気、心はさらに豊か。彼女のモットーは、「人ができることは、自分もできる」。「もう年だから」「失敗したら恥ずかしい」とブレーキをかけてしまいがちですが、ひろちゃんにとっては失敗さえも、人生を彩る大切な「遊び」なのです。そんな彼女の清々しい生き方のヒントが詰まった書籍が『今日も明日も新しいことに挑戦! 80代、ご機嫌に生きる人生の耕し方』(KADOKAWA)です。今回はこの本の中から、力強くも温かい、ひろちゃんのメッセージをお届けします。
※本記事はひろちゃん農園 (著)による書籍『今日も明日も新しいことに挑戦! 80代、ご機嫌に生きる人生の耕し方』から一部抜粋・編集しました。

畑しごとのきっかけは「畑遊ばせるの、もったいない」
「ひろちゃん農園」が畑として使っているのは250坪ほどです。ジャガイモや玉ネギ、枝豆、ミョウガ、ヤーコン、トマト、大根、白菜、キャベツ、人参、ブロッコリー、ネギ、ニラ、ニンニク、メロン、長芋、ゴボウ、キュウリなど、季節に応じて、野菜や果物を育てています。高知ではほとんど雪が降らないから、1年中畑しごとをできるのは、本当にありがたいです。
朝から夜まで畑しごとに精を出して、畑のことばかり考えている暮らしを続けていますが、畑しごとにこれほど興味を持って没頭してやるようになったのは畑を広げてからです。
幼い頃は父の畑を手伝っていましたが、小学校や中学校に上がると畑に行く機会は減りました。昔のことやき、しっかりは覚えちゃあせん(覚えてない)けど、勉強や友だちとの遊びに時間を割くようになったんでしょうね。
学校を卒業して働き出したら仕事に夢中になったし、嫁いでからは米作りや家事、子育てに一生懸命。畑をやるという発想にならない期間が長かったです。
畑をやってみようかなと考えるようになったのは、所有している畑をほったらかしにして遊ばせているのはもったいないき、野菜を育ててみようか、ぐらいの軽い気持ちが入り口でした。「畑のほったらかしはもったいない」、そう思って始めた畑しごとやけど、すっかり夢中になって、畑を長いこと続けたい、と思うようになりました。
畑しごとに憧れを持って始める人もおるけど、「畑しごとをやってみたい!」というような強い気持ちはなかったです。料理をするのもあんまり好きじゃないき、「自分が育てた野菜で、おいしい料理を作りたい」とも思わんかったです。
ほんやき(だから)、最初に何を植えたかなんて、覚えちょらんです。梅の木があって、梅の実も生らしたけど、誰も欲しがらんかったき、結局その木は抜いたことは記憶しています。野菜はそんな変わった作物は植えてないき、多分最初は大根やったかもしれません。葉ゴボウが好きやから、それも植えたかな。これまでに何種類も育てたし、収穫したらすぐ忘れます(笑)。
何から始めたか、どんなふうに畑しごとをしたのかは、きれいさっぱり忘れたけど、土をいじるのは楽しかったき、あっという間にハマったのは覚えてます。
自分のやったことが作物の育ち具合に結び付いちゅうき、頑張りがいがあるがよ。そのうち、畑のことばっかり考えるようになって、息子たちと一緒にいても「今、畑行きたいって思いゆうろ(思ってるやろ)。行ってきいや」と言われることも増えてきました。
一畝やったのが、二畝になって、三畝に増えて、肥料も自分で作っちゃろ、ハウスも建てろう(建てよう)、雨でも作業できる屋根付きのスペースも欲しいな、となって......。息子たちにも協力してもらって、いつの間にか、野菜を作る環境が整いました。ますます熱中してたら、80歳になっていたから、自分でも驚いています。
私はどんなことも楽しめる性格で、やり始めたら長いこと続けます。「これ、向いてないわ」「難しいから、やめた!」とした経験がありません。
畑しごとに限らず、どんなことも「他の人にもできることは、私もやったらできる」と思ってやってきました。
そんなに大げさに考えず、気楽に始めた畑に、こんなに楽しいことが待っているとは想像もしておりませんでした。






