会食のお誘い... 意外と見逃しがちなことって?/知らないと恥をかく 50歳からのマナー(8)

食事を選ぶときは、無理に相手に合わさない

招待された側が店を選ぶのが本来のマナー

ビジネスの会食などの接待では、招待した側が招待された側に、日時や食事内容をうかがうのが本来のマナーです。

このような場合、招待した側はいくつかの候補を提示するでしょう。

あなたはその中から、希望の日時や食事内容を選ぶことになります。

「恐れ入ります。それではお言葉に甘えて、和食でお願いできますか」、親しい相手であれば「久しぶりに、和食でいきましょうか」などといった具合に伝えます。

完全に自由に選べる場合は、素直に希望を伝えれば大丈夫です。

先に店やメニューが決まっている場合も......

ただし、行く店やメニューがすでに決まっている段階で、会食に誘われるケースも少なくありません。

このような場合、アレルギーなどの健康上の問題や、宗教的にタブーといった食材がなければ、相手からの提案を快く受けましょう。

逆にそうした問題があったら、「申し訳ないのですが......」と前置きしてから、食べられないメニューとその理由を伝えましょう。

ガマンして食べる姿を見せるよりも、ありのままの事実を伝えるほうが、お互いのためになります。

意外と見逃しがちな「参加人数の検討」

相手の人数に合わせて、こちらの人数も決める

ビジネスにおける会食は、1人での参加を避けるのがルールです。

取引先と1人だけで会っていると、癒着などを疑われる可能性もなきにしもあらずだからです。

会食の場に誘われる機会の多い方なら、日頃から心得ていらっしゃることでしょう。

会食などの招待を受けた場合も、複数人で参加することが基本です。

まずは「何人でいらっしゃいますか?」と、先方の参加人数をうかがいましょう。

たとえば先方が「2~3人でうかがいます」と答えたら、「では、お差し支えなければ私の部下の〇〇も、勉強のために同行させていただいてもよろしいですか?」といった具合に、近い人数での参加を伝えればいいわけです。

絶対に1人だけでは出席しない!

先方が1人しか来ないという場合でも、同行者を探すのは鉄則です。

社内にあなたより立場が上の人がいるのなら、必ず事前に相談します。

ベテランになるとある程度の権限を任されて、社内での自由度もあるかと思います。

しかし、いつまでも初心を忘れずに基本に忠実であることが、より一層の信頼につながり、部下後輩への良いお手本ともなります。

会食に誘われたときも、「自分だけでいいよな」などと考えず、必ず同行者を探してください。

 

西出 ひろ子
マナーコンサルタント、一般社団法人マナー教育推進協会代表理事。国会議員などの秘書職を経てマナー講師として独立。300社以上のマナー・人財育成コンサルティング、延べ10万人以上の人材育成を行う。著書・監修書に『あなたを変える美しい振る舞い』(ワニブックス)など著書累計100万部を超える。

知らないと恥をかく 50歳からのマナー.jpg

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(西出 ひろ子/ワニブックス)

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※この記事は『知らないと恥をかく 50歳からのマナー』(西出ひろ子/ワニブックス)からの抜粋です。

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