「種まきは、自然への恩返し」イギリス人ガーデナーが教える植物を育てる楽しさ

25年前にイギリスから単身日本にやってきたポール・スミザーさんは、無農薬で庭づくりをしている注目のガーデナー。山梨県の八ヶ岳にある彼のナチュラルガーデンが人気を博しています。今回ポールさんにお聞きしたのは、種まきや挿し木から始める「植物を"育てる"楽しさ」について。ポールさんは「種まきは、自然への恩返し」と話してくれました。

「種まきは、自然への恩返し」イギリス人ガーデナーが教える植物を育てる楽しさ A9R2ngord_yim7he_h8.jpg小さな苗が、やがて大きな景色になる

分け入った野山で、数少なくなった野草を見つけては、種を少しだけ持ち帰って土にまくポールさん。挿し木(茎の一部を土に挿して根付かせる)や株分け(根を分ける)もします。地道なそんな作業を何年も続けているのは、庭作りのためだけではなく、その命を絶やしたくないという思いからです。

「種まきは、自然への恩返し」イギリス人ガーデナーが教える植物を育てる楽しさ A9Rz1tgkz_yim7hg_h8.jpg軽トラックの荷台で一休み。発芽した苗を眺めながら、さらさらとスケッチをする楽しい時間

まだ幼い野草の苗もそうして根付かせたもの。もともとは山梨の八ヶ岳南麓に自生いた植物です。まもなく庭に移植され、時を経て美しい景色の一部になっていくでしょう。

「種まきは、自然への恩返し」イギリス人ガーデナーが教える植物を育てる楽しさ A9R11bhjmw_yim7hi_h8.jpg種はどれもポールさんが採取し、じっくり乾燥させてから発芽させたもの

「この子たちの故郷は八ヶ岳。日当たりや土を故郷に近い環境にすることが大事だね」
ポールさんはそう話します。育てることは、言葉を替えれば、植物の故郷をもう一度作り直すこと。人が生まれ育った土地を忘れないように、植物にとっても故郷は生きやすく、恋しい場所であるはずですよね。

「野草でなくてもいい。植物の種をまいてみない?」

土はホームセンターで売っている種まき用の培養土でOK。「ビニールポットに土を入れて、3粒くらいぱらぱらっとまけばいい。野草の種の場合は、すぐには揃って発芽しないことも多いので、諦めないで、土に湿り気がある状態を保って見守ろう」

芽が出た後は?

「地中にしっかりと根が張って、ビニールポットの下穴から根がのぞくようになったら、地植えするか植木鉢に植え直す。根腐れしないよう、土の表面が乾いてからたっぷり水をあげてね」

ラショウモンカズラ
シソ科の多年草。写真は挿し木で根付かせたもの。栽培苗は山野草として出回る。日当た
りのいい場所に向く。花期は4~6月。

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「種まきは、自然への恩返し」イギリス人ガーデナーが教える植物を育てる楽しさ 【抜粋】毎日が発見_7月号_紙版_ページ_098_画像_0006.jpg

 

シキンカラマツ
キンポウゲ科の耐寒性多年草。日なたから半日陰向き。花期は7~8月。種まき時期は真
夏を除く春から秋。春先に株分けもできる。「種まきは、自然への恩返し」イギリス人ガーデナーが教える植物を育てる楽しさ シキンカラマツ.jpg


「種まきは、自然への恩返し」イギリス人ガーデナーが教える植物を育てる楽しさ 【抜粋】毎日が発見_7月号_紙版_ページ_098_画像_0005.jpg

 

アサマフウロ
フロウソウ科の耐寒性多年草。湿り気のある日なたが向く。花期は8~9月。種まき時期
は真夏を除く春から秋。希少な準絶滅危惧種。

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「種まきは、自然への恩返し」イギリス人ガーデナーが教える植物を育てる楽しさ 【抜粋】毎日が発見_7月号_紙版_ページ_098_画像_0004.jpg

 

ノダケ
セリ科の耐寒性多年草。日なた~木陰向き。花期は9~11 月。種まき時期は真夏を除く春
から秋。新芽は山菜として食べられる。

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「種まきは、自然への恩返し」イギリス人ガーデナーが教える植物を育てる楽しさ 【抜粋】毎日が発見_7月号_紙版_ページ_098_画像_0003.jpg


萌木の村 ナチュラルガーデン

紹介している景色は、一般公開されているポールさんの庭の一つ。春夏秋冬の景色を楽しめます。
住所:山梨県北杜市高根町清里3545
電話:0551-48-3522
時間:10:00~18:00(5~11月) 10:00~17:00(12~4月)
休み:なし
料金:入場無料


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取材・文/飯田充代 撮影/木下大造 協力/萌木の村

 

 

<教えてくれた人>
ポール・スミザーぽーる・すみざー)さん

1970年、イギリス・バークシャー州生まれ。ランドスケープデザイナーであり園芸家。英国王立園芸協会ウィズリーガーデン、米国ロングウッドガーデンズで学ぶ。現在は山梨県・八ヶ岳を拠点に活動中。


野草の種を購入できます

ポールさんが採取した野草の種を下記のURLから注文できます。電話での注文はできませんが、現地ナチュラルガーデンに併設されたレストラン「ROCK」での購入可能。各600 円(税込・袋約30 粒入り)。パッケージにはポールさんのイラストが。植物の性質などの説明書付き。配送方法はヤマト運輸便、全て代引き。別途送料がかかります。約60 種類の種があります。
URL :ガーデンルームス

この記事は『毎日が発見』2019年7月号に掲載の情報です。

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