「いつも自分を人と比べてしまう」「自分は損ばかりしている」。そんな想いで日々モヤモヤしている方、いませんか? そんなときにぜひ知ってほしいのが、今から2500年も前の中国の思想家・老子の言葉。45年間で10万人を診察した精神科医が、その老子の言葉を「意訳」ならぬ「医訳」をしてわかりやすく解説して話題の書籍から「ジャッジフリー」な考え方を連載形式でお届けします。
他人より、自分のことに集中できる鏡のワーク
ふとした瞬間に、他人が気になってしまってモヤモヤする。そんなときには「鏡」を意識的に見るようにしてみてください。
朝、洗面所で顔を洗うとき。
会社のトイレで手を洗うとき。
外出先の化粧室で身だしなみを整えるとき。
鏡に接する機会は意外とあるものです。しかし、よほどご自身のお顔が好きな方でない限り「髪型が崩れていないか」「口紅が落ちていないか」といった「確認」に使うことがほとんどだと思います。
しかしこのワークの目的は、鏡の中の自分を認識することです。ですから、ただ漫然と鏡を見るのではなく、そこに映る自分の目を、10秒ほどしっかりと見つめることが大切です。
頭の中で「いち、にぃ、さん......」と、10まで数えてみましょう。
自分の目は、自分からは見えません。しかし、他人の目は視界に入ってきます。自分より人のほうが、いつも視界に入ってくるわけですから、他人が気になってしまうのは当たり前。
ですから鏡を使って自分の姿かたちを意識することで、自分の存在を物理的に強く感じるようにするのです。
わざわざ鏡のある場所へ行かなくても、手鏡を持ち歩くのでもいいでしょうし、ショウウィンドウに映る自分を見るというのでもかまいません。
実践するうち、自分の輪郭がはっきりと感じられるようになってきます。ひいては「目の前にいる自分から見て、ほんとうに誇れる生き方ができているか?」といった問いかけが、自然と頭の中で生まれてくるはずです。
そうすれば「他人のことを考えないようにしよう」などと無理に思わなくても、自然と自分のことだけに集中できるようになっています。
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