中田喜子さん「読むほどに難しくて楽しい!」自由な発想で楽しむ、私の俳句

女優の中田喜子さんが『毎日が発見』に俳句を披露してくださるのは2度目。最初は2年前でした。「考え始めると夢中になり、夜、夢の中でも五・七・五と指を折って言葉を探してしまうんですよ」そんなふうに俳句の楽しさを語ってくれたのが印象的でしたが、以降もその熱は高まるばかりだそうです。

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人気のバラエティー番組(TBS系『プレバト!!』)の「俳句の才能査定ランキングコーナー」にもたびたび出演し、俳句を披露しているのをご存じの方も多いことでしょう。

「テレビの反響は大きく、見てくださった方から声をかけられます」 同番組では、出演者の俳句を先生(夏井いつきさん)が評価。心に響く句を詠むと"特待生"へ、"名人"へと昇格するシステムがありますが。「ここのところずっと特待生にとどまり、足踏み状態でしたから、かなり落ち込んでいたんです。昇格できなかったときには高原に出かけて、広い空の下で気持ちをリセットしたこともあるほどです。でも、この2月にやっと名人になれました」

それはうれしいニュース!

「発想を飛ばせたことが良かったのかもしれません。念願の名人になることができましたので、自由な発想ができるように心がけ、タイトル戦も上位を目指します」

いま、あらためて俳句について感じることはありますか?
「最近は破調("字余り"や"字足らず"、また"句またがり"(例えば五・九・三など)にすること)の句も詠むようになりましたが、俳句の定型の五・七・五を崩さないことが大切だと思います」

うららかな春景色が思い浮かぶ、今回の旅の二句もそう。そのイメージに合わせるように、装いは春霞の空を思わせる色のきものと、枝垂れ桜が織り込まれた帯......。句と同じように春らんまんです。

中田喜子さん「読むほどに難しくて楽しい!」自由な発想で楽しむ、私の俳句 1903_p109_04.jpg帯のお太鼓いっぱいに咲く枝垂れ桜の間をチョウが舞っています。
きものは、白生地を「自分好みの色に染めた一枚」です


【初めて詠んだ春の句】

春愉(たの)し 房総(ぼうそう)の空 ひた走る

「千葉県・房総の菜の花畑のそばに電車が走っている光景。先生の添削はなし。『俳句のことを何も知らなかったのが勝因』という評価をいただきました」

 

【新しい句】

いそいそと 受話器上げたる 梅の旅

「早春、梅景色が有名な地に旅へ。美しい梅満開の様子を家族に伝えたくなり、公衆電話の受話器を取る光景を詠みました」

中田喜子さん「読むほどに難しくて楽しい!」自由な発想で楽しむ、私の俳句 1903_p109_05.jpg扇子にさらさらとサインをする中田さん。「昔は扇子にサインをしてほしいとお持ちになられる方もいました。優美な和小物ですね」

 

取材・文飯田充代 撮影/齋藤ジン

 

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中田喜子(なかだ・よしこ)さん

女優。18歳でデビュー。20年以上続いたTBSドラマ『渡る世間は鬼ばかり』では三女・文子を好演。他にも出演ドラマは100本を超える。

この記事は『毎日が発見』2019年3月号に掲載の情報です。

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