『セレブのカバンはなぜ小さいのか お金と幸せの秘密ルール』 (桜井美帆/KADOKAWA)第3回【全7回】
ハッピーマネー小説『セレブのカバンはなぜ小さいのか お金と幸せの秘密ルール』(KADOKAWA)の主人公のジュンは、仕事も恋もうまくいかず、夜ごと、お酒を飲みながら人生を嘆く派遣社員。「貧乏・不幸マインド」に支配され、自分自身の可能性を信じられない女性です。物語はジュンが行きつけのバーで、謎の大富豪メディチーナさんと偶然出会ったことで、大きく転換しはじめます。彼女は幸せなお金持ちになれるのでしょうか? スピリチュアルな内容だけにとどまらず、セレブの振る舞いや資産運用にまで踏み込んだこの小説から一節を抜粋しご紹介します。
※本記事は桜井美帆著の書籍「セレブのカバンはなぜ小さいのか お金と幸せの秘密ルール」から一部抜粋・編集しました。
引き寄せの魔法の秘密
私はお酒を飲み干し、勇気を出して聞いてみようと決心した。
「その引き寄せの魔法の秘密は、どうしたら学べますか?」
「私を引き寄せたのは、"あなた"なのよ? つまり、引き寄せの魔法はすでに始まっているの」
もう始まっているの?
お酒のせいか心臓がバクバクと高鳴ってきた。
「ジュンさんはとっても魅力的な人で理想の人生を手に入れられるの。その引き寄せの魔法の秘密とは、ジュンさんの人生は、ジュンさんが創っているということを知ることから始まるの。でも、多くの人はそれを知っても、残念ながら他人の人生の脇役を演じてしまうだけなの。だから、ジュンさんは今日から、ジュンさんの人生の主役になって生きてね」
「私が私の人生の主役ですか?」
「そう。そうすると自分の人生は、自分で創っていくことができるようになるわ」
私はなんだか、ドキドキが止まらなかった。酔いがまわってしまったのだろうか? 言われていることがよく理解できないながらも、魂が喜んでいるのか心臓が飛び出してきそうだった。
「ジュンさんの夢や願いはありますか?」
「夢や願い?」
普通に、家族が健康で幸せであって欲しい。そんな当たり前のことは夢にはならないだろうか? 私は答えられずにいた。黙っていると、
「じゃあ、どうなったら幸せになると思う?」
どうなったら幸せ?
私はまたしても、そんなこと考えたことがないと思った。アゴに指を添えて、斜め上を見て考える。
「もしかして、叶わないような夢を思い浮かべようとしていない?」
私はコクリと頷いた。すると、
「よく、夢はどうせ叶わない。夢は、寝ている間に見るものだと言う人がいるの。夢を見るから叶わないときに苦しむので、最初から夢なんて見ないほうがいいと考える人もいるの」
なるほど、と私は共感した。
「でもね、夢を見ないと今のままなの。悪くはなっても良くはならない。イメージできた以上の人生にはなれないの。だから、夢は見たほうがいいの。まずは、夢は叶うという事実を受け入れるの」