ネットの検索結果には偏りがでる!? 体系的な情報収集には書籍も重要/「超」独学法

pixta_21737314_S.jpg人生100年時代、仕事の引退は80代、と言われるようになっている現代において、私たちに求められているのは「どれほど個人の市場価値を上げられるか」ということ。ではどうすれば個人の市場価値は上げられるのでしょうか?その答えは「独学」にありました。

本書『「超」独学法 AI時代の新しい働き方へ』は、今日から始められる「独学」の勉強法を集めた最強の独学メソッド本。独学への不安を払しょくし、新たな可能性を見出す手がかりがここに!

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知識を体系的に学ぶには

印刷物の教科書では、知識を体系的に紹介している。知識が全体の中でどのような位置にあるかが分かる。体系付けが最もよく理解できるのは、講義だ。講義をしているのは専門家であり、一定のカリキュラムにしたがって、講義が進められているからである。「知識を体系的に学ぶ」という点で、大学の講義に勝るものはない。

「独学ではカリキュラムの作成が最も難しい」と言った。これは、「体系を作るのは難しい」ということである。ウェブから検索によって情報を集めていると、体系的なものにならない可能性は大いにある。これを行うのが書籍の情報であり、大学の講義である。このことは、将来になっても変わらないだろう。

 

フィルターバブルとは

イーライ・パリサーは、『閉じこもるインターネット―グーグル・パーソナライズ・民主主義』(早川書房、2012年)の中で、「グーグルなどの検索エンジンの順位付けやフェイスブックのエッジランクなどによって、人々は偏った情報を入手することになる」と指摘した。検索エンジンでは、フィルター機能がその人の過去の検索履歴などを参照して結果を順位付けするので、その人に最適と見なされる情報が手に入りやすくなる。

他方で、自分の知らないことや反対意見などは、検索によって得にくくなる。フィルタリングが行われると、ユーザーの世界観が操作され、視野が狭くなってしまう危険がある。パリサーは、これを「フィルターバブル」と呼んだ。こうなると、「知らないうちに誘導される」ということがありうるわけだ。それを考えると、検索に頼りすぎることには問題があると言えるかもしれない。書籍などの印刷物から知識を得ることは、こうした危険を避けるためにも必要と言えるだろう。

 

最先端の分野は英語のサイトが多い

最先端の分野については、残念ながら、日本語のウェブサイトでは、満足のいく情報は得られないことが多い。英語の文献に当たる必要がある。この場合、検索の際に、日本語のサイトを排除して、英語のサイトだけを出すようにする必要がある。最近では中国語の文献を読む必要が出てきた。幸いなことに日本人は漢字を読めるので、中国語を勉強しなくても、簡字体でいくつかのキーワードを知っていれば、中国語のサイトからもかなりの情報を引き出すことができる。とくに、統計のデータはそうだ。「中国語だから読めない」と最初から排除してしまうのでなく、積極的に対応することが必要だ。

 


野口悠紀雄(のぐち・ゆきお)

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授などを経て、2005年4月より早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。


 

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『「超」独学法』

野口悠紀雄/角川新書)

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この記事は書籍『「超」独学法』からの抜粋です。
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