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世界最古の自販機では「聖水」が売られていた!?
自動販売機は、その便利さから世界中で利用が進んでいるが、現在のところ普及台数で世界一を誇っているのはアメリカだ。2013年のデータによると、645万900台と、日本を136万台ほど上まわっている。
ただし、年間自販金額を見た場合、アメリカは約427億ドルと、日本円に換算すると4兆2000億円程度。一方、日本の最新データによれば、日本国内の自販機で販売された商品の売上金額の合計は、4兆9526億5520万円(2014年)と、アメリカの売上金額を上まわる結果となっている。
このように、我々の暮らしになくてはならない存在になった自動販売機だが、世界最古といわれる自販機は、古代エジプトに登場する。今からおよそ2200年前の紀元前215年頃、アレキサンドリアの神殿に置かれた、聖水を売る自動販売機が、人類にとって最初の自販機とされている。発明者は不明だが、てこの原理を応用し、コインを投入するとその重みで内部の受け皿が傾き、蛇口から水が出てくるしくみだったことが、エジプトの科学者ヘロンの著書『気体装置』に記されている。
日本で初めて考案された自販機は、1888年に発明家の俵谷高七が考えた、タバコなどの箱入り商品を売るものだったが、実物は現存しない。現存する日本最古の自販機は、同じく俵谷がつくった「自働郵便切手葉書売下機」で、切手とはがきの販売と同時に、ポストの役割も果たす優れモノだった。
ちなみに、現存する世界最古の自販機は、1615年にイギリスの居酒屋などに置かれた、小さなたばこ自動販売機とされている。