急に走ると脇腹が痛くなる不思議/地球の雑学

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急に走ると脇腹が痛くなる不思議

いきなり走ると脇腹が痛くなってしまうことはよくあるが、その原因は、痛くなる部位ごとに異なっている。

まず、右の脇腹が痛む場合、走る衝撃によって内臓が揺れ動き、横隔膜(おうかくまく)が引っぱられるのが原因だ。右の脇腹にある肝臓は、人間の内臓の中でもっとも大きな臓器。その重さは成人男性で1200~1400グラム、成人女性で1000~1200グラムと、体重の約50分の1の重さといわれている。走ることでこの重たい肝臓が大きく揺れ、肝臓と横隔膜を結ぶ靭帯(じんたい)が引っぱられるために痛みが生じる。さらに、走るとたくさん酸素を取り込もうとして呼吸筋が活発になり、横隔膜が激しく動くのも痛みの原因だ。ふだん走らない人が走ったときや、準備運動が不十分なときなどにも、急に強い負荷がかかるため、横隔膜がけいれんし、痛みを引き起こすといわれている。

一方、左の脇腹が痛む原因は、一般的には脾臓(ひぞう)といわれる。脾臓は、握りこぶしくらいの大きさで、お腹の左側、肋骨のすぐ下にある。血液を一時的にためておく臓器であることから、激しい運動を行なうと、血液を急激に筋肉などに送り出す。

その結果、過剰にはたらくことで痛みを感じるようになるという。ほかにも、走ることによって全身が揺さぶられ、大腸の湾曲した部分にガスや便がたまることで、痛みが出ると考えられている。

ただし、左の脇腹の痛みについては、実際のところ明確な原因がわかっていない。痛みを防止する方法としては、走る前の十分な準備運動のほか、ふだんから心肺機能を鍛え、便通をよくしておくことが重要といえそうだ。

 

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(雑学総研/KADOKAWA)

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この記事は『人類なら知っておきたい地球の雑学』からの抜粋です。

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