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「甘いものは別腹」の「別腹」は本当に存在する
甘いものが好きな人におなじみの「別腹」は、単なる言い訳ではなく、本当に存在する。
まず、「お腹がすく」とはどんな状態かというと、体の中のエネルギーが少なくなったことを脳が感じている状態で、摂食中枢がはたらき、食欲がわくようになる。対して、「お腹がいっぱいになる」という状態は、体の中にエネルギーがたまったことを脳が感じている状態で、満腹中枢がはたらき、食欲が抑えられる。
別腹にも、同様に脳のはたらきが関係している。自分が大好きなものを見ると、脳の前頭葉がスイッチを切り替える命令を出すため、満腹中枢に代わって再び摂食中枢が活性化。脳の中にβエンドルフィンやドーパミンという物質が放出され、食欲が刺激されるというしくみだ。
このとき、脳内からはオレキシンという物質も放出されているが、これが別腹の正体と考えられている。オレキシンは、これから胃に入ってくる食べ物を受け入れるために胃を広げ、中にあるものを小腸に送り出す運動を促進。その結果、別腹となるスペースが胃に生じるのだ。
また、人間は同じ味のものを食べ続けることでも、満腹を感じる。そのとき、デザートの甘みのような新たな味を脳が感じた場合にも、食欲がよみがえるといわれている。
ただし、注意しなければならないことがある。西洋料理にデザートがつくのは、食事が肉や魚が中心で、エネルギーになる炭水化物が少ないためで、これをデザートで補うという考え方に基づいている。一方の和食は、食事の中でしっかり炭水化物がとれることから、デザートまで食べると食べ過ぎになりかねない。