日本の伝統スタイルである畳。フローリングなど欧米風のライフスタイルが定着していくと、「和室離れ」という声も上がっていました。しかし、不動産関連の比較査定サイト「スマイスター」を運営する株式会社シースタイルのアンケート調査によると、注文住宅で和室を作った人は約9割。非常に多くの人が和室、または畳に愛着をもっていることがわかります。
最近では、通常の、いわゆる仏壇や板の間がある「畳の部屋」ではなく、リビングのフローリングと上手につないで統一感を出したり、西洋風や北欧風のインテリアと合わせる上級者スタイルも続々生まれているようです。最近の畳事情をさまざまな視点からご紹介します。
和室がある家を選びたいという人は50%!
上のアンケート調査によれば、「自宅を建てるとき、和室をつくりましたか?」の質問に「はい」と答えたのは88.3%でした。
スマイスター調べ 「和室」についての調査 より
また「自宅を選ぶとき、和室がある家を選びますか?」の質問に対して、「はい」と答えたのは50%でした。
スマイスター調べ 「和室」についての調査 より
和室がある家を選んだ理由として、「落ち着く」「畳が好き」「ごろ寝ができる」など。リラックスしたい人たちにちょうどよい環境である様子がうかがえます。
スマイスター調べ 「和室」についての調査 より
畳は傷みやすいなど、和室のデメリットを感じている人は3割。西洋風建築がメインの家が増えたとはいえ、ほとんどの方が和室のある生活を楽しんでいるようです。
畳のある生活! さまざまなスタイルに
「和モダン」と言われるような、畳とモダンインテリアとの掛け合わせもオシャレで、古き良きスタイルとはまた異なる印象を受けます。IKEAや無印良品、ニトリといったシンプルなコンセプトのメーカー製品と特に相性が良く、組み合わせることで、新たな雰囲気に。
和室特有の梁にも、IKEAなどで見かける北欧風の照明や、夏ならカゴ編みのボリューミーな照明もマッチ。和紙で作られた球形の照明もおすすめです。思い切って、畳にマットレスを引いてファブリック調のソファやダイニングテーブルをおけば、和洋折衷の昭和レトロなスタイルに。障子にはたとえば木の葉がプリントされた和紙を貼ったり、障子のかわりに木製のブラインドなども和室に合います。差し込む光をうまく取り入れることで、部屋全体をやさしい雰囲気に演出すると素敵ですね。
和室や畳から、離れていっているかと思われる現在ですが、実際は昔のまま、あるいは新しい形で、引き継がれている様子を見ることができました。和の良い部分を取り入れつつ、それぞれに合った新しいスタイルで、これからも「和」を楽しむ気持ちを持ち続けたいものです。
文/山川 温