胃液はなぜ胃全体を溶かしてしまわないのか/地球の雑学

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胃液はなぜ胃全体を溶かしてしまわないのか

口から入った食べ物は、食道を通って胃に運ばれ、胃液によって分解消化される。胃液の主成分は、塩酸とペプシンという消化酵素である。「胃の中に塩酸があるのか!?」とびっくりするが、塩酸は食べ物とともに入ってきた細菌を殺し、食べ物の分解を助けて胃の中の異常発酵を抑える働きをしている。この塩酸のために、胃液はpH(ペーハー)0.9~1.6もの強酸性となっている。

ペプシンはタンパク質を分解するが、その消化力は強烈で、たとえば買ってきた肉にペプシンをかけると、肉がすぐに溶けてしまうほどである。

では、どうして胃袋はこんな強烈な胃液を入れていられるのだろうか。塩酸は素手で触れてはやけどするほど危険なものだし、胃だってタンパク質なのだからペプシンに溶かされそうだ。しかも胃液は、水分が多いとはいえ1日1.5~1.8リットルも分泌されているというではないか。

胃が溶けないのは、胃壁が胃粘液のバリアで守られているからである。胃粘液は、1ミリメートルにも満たない薄さで胃壁を覆っているだけだが、驚くほど抵抗力が強く、塩酸を中和し、アルコールや薬剤の刺激からも胃壁をガードしている。また胃の内面では、常に細胞が新陳代謝を繰り返し、新しい細胞に生まれ変わっている。

この胃液と粘液のバランスが崩れ、胃液が多く出すぎたり、粘液が少なかったりすると、胃壁が直接胃液に触れて胃の炎症が起こる。これがひどくなったものが、胃潰瘍(かいよう)である。

また、胃液はほかの臓器を溶かしてしまうほど強烈なので、消化される途中の胃の内容物が食道に逆流すると胸焼けがし、これが頻繁に起こると逆流性食道炎にもなりやすい。

 

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人類なら知っておきたい 地球の雑学

(雑学総研/KADOKAWA)

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この記事は『人類なら知っておきたい地球の雑学』からの抜粋です。

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