きものは持っているけれど、今の生活だともう着ることもない...そんな人も多いのではないでしょうか。でもせっかくのきものなら、すてきな生地を生かしてワンピースを作ってみませんか? 今回は岡本孝子さんにきもの地を横向きにぬい合わせた「パフスリーブのゆったりワンピース」の作り方を教えていただきました。
※本記事は月刊誌「毎日が発見」2022年9月号掲載の情報を再構成したものです。
岡本さんのデザイン画。自分が着た姿をイメージしながら描きました。
下の写真から分かるように、ワンピースは、ほどいた四角いきもの地を横向きにぬい合わせるデザイン。
横向きにぬい合わせた生地は、上からきものの身頃3枚とおくみ1枚。袖口にギャザーを寄せてふんわり仕上げます。
左の袖から身頃、右の袖口まで1枚布で、ポイントのパフスリーブを袖付けせずに簡単に作れます。
身幅がたっぷりで、きもの地に包まれるように安心して着られるのも魅力。
リボンを脇で結ぶと、裾に向かってゆるやかに広がり、きれいなラインが出ます。
着やすいプルオーバータイプ
後ろ身頃のえりぐり上部に切り込みを入れてあるので、脱着がらく。ファスナー付けの手間もいりません。
脇のリボンを結びます
リボンは前・後ろ身頃にぬい留め、着る際に脇で結びます。自分のサイズに合わせられるのでゆったりと着られます。
スカートは歩きやすいたっぷり幅
スカートの裾回りは約174cm。颯爽と歩いても生地が足にまとわりつきません。丈は好みで変えましょう。
柔らかいドレープがすてき
ウエストサイズを気にせず着られます
きものは総柄の小紋。着たときのとろみ感は、滑らかな素材ならではです。袖は好みでもっと長く、あるいは短くしてもかまいません。着用しているのは作者・岡本孝子さん。
丈を短くすればブラウスになります
シンプルなパンツと合わせるとブラウスのきもの地が映えてすてき。絹の高級感も際立ち、フォーマルな席にも似合います。
きものの身頃を横向きにぬい合わせました
きものの身頃を2枚使っています。左の袖口から身頃、右の袖口までは1枚布。袖付けなしで仕上げています。
このブラウスは上のワンピースをアレンジしたもの。
スカート部分を除いて丈を短くしています。
作り方の工程はスカート部分以外同じですが、きもの地の色柄の違いもあって全く違う雰囲気。
これもまたきものリフォームの楽しいところです。
ワンピースより短く、ブラウスより長くして、チュニック風に仕上げてもいいですね。
自身の自宅兼アトリエでミシンに向かう岡本孝子さん。ワンピースもここから生まれました。
<教えてくれた人>
岡本孝子(おかもと・たかこ)さん
1937年、東京生まれ。文化服装学院デザイン科卒業。87年より劇団SCOT主宰の鈴木忠志さんとともに舞台衣装制作に携わる。現在もオペラなど多くの舞台衣装を作り、プライベートでもきものリフォームを楽しんでいる。
【月刊誌「毎日が発見」2023年9月号(2023年8月28日発行)の内容は?】
■痛みとこりに効く
背骨ほぐし
■ラインとインスタグラムでゆる~く始める
大人世代の「スマホ手習い」
■村上祥子さんの健康レシピ
発酵調味料 玉ねぎ麹
■つらい症状も後遺症も
帯状疱疹はワクチンで防げます
■折り畳んでぬって
スカーフのリメイク