1999年に始まった「科捜研の女」シリーズが、この秋、劇場版として公開されます。榊マリコ役を演じ続けてきた沢口靖子さんに、シリーズを振り返っていただきました。
「科捜研」メンバーの意外な一面が!?
――約20年、いかがでしたか?
マリコは最初は科学一辺倒でしたが、殉職された木場刑事(小林稔侍)から「犯罪だけではなく、人を見ろ」と教わり、価値観が大きく変わって、人としても女性としても成長した気がします。
私にとって、もう分身のような存在ですね。
共に年齢を重ね、1年に一度必ず戻る場所。
白衣を着ると、マリコになったなと思います。
懐かしくて、帰ってきたなという気分になりますね。
「科捜研」メンバーも本当にファミリーみたいな感じなので。
映画の中では、メンバーのオフの一面も描かれているんですよ。
例えば、宇佐見さん(風間トオル)がお母さんといるところや、所長(斉藤暁)が奥さんといるところ。
とても微笑ましかったです(笑)。
物を処分する意外な方法とは?
――冒頭には、マリコさんの微笑ましいシーンもあります。
オフの時間も科学に夢中のマリコですよね(笑)。
――マリコさんの科学のように、沢口さんがお好きなことは?
お部屋のお掃除、片付け、整理、あとお買い物です。
散らかったお部屋より、片付いてスッキリした空間の方が居心地が良くて好きです。
またお洋服やステーショナリーグッズを買うことも好きです。
――写真の整理だとか、断捨離に悩む読者の方も多いです。
いつか使うと思うから、物の処分は難しいですよね。
撮影でしばらくホテルで生活することがあるのですが、必要最低限のものだけで暮らしてみると、これだけで生活できるんだって気付かされるんです。
そこから家に帰ると、不要なものが見えてくるんですよ。
その時に、思い切って処分するようにしています。
こういうことはタイミングだから、その時を逃すと、また捨てられないんですよね。
家を少し離れることで、客観的になれるのかもしれません。
――掃除された部屋で、どんなことをされるんですか?
お仕事が迫っていると、台本を読んだり、撮影の準備に費やすことが多いので、お休みの時は本やDVDを見ながら、ゆっくりした時間を過ごすようにしています。
どうしてもアウトプットすることが多いので、心の栄養をインプットする時間が大切ですね。
去年はお家にいる時間が長かったですが、なぜか急に『タイタニック』が観たくなったんです。
映画館にも何度も観に行ったのですが。
他にも久しぶりに観て感動したのは『レ・ミゼラブル』。
2回目でも涙ボロボロでした。
哲学的なメッセージも素晴らしいですよね。
がらっと変わりますが、『マンマ・ミーア!』みたいなコメディ・ミュージカルや『プラダを着た悪魔』も華やかなファッション業界の話で、いまでも好きな作品です。
――コメディがいくつか出ましたが、沢口さんも舞台などでおやりになりますね。
以前、三谷幸喜さんや三宅裕司さんにお声をかけていただいて、チャレンジしたことがあります。
関西出身なので、週末は新喜劇を見て育ちました。
笑いのDNAは流れていると思います(笑)。
――いよいよ映画が公開です。
先の見えない展開や映像美はもちろんですが、シリーズ最強の敵・加賀野教授を演じられた佐々木蔵之介さんの迫力や、歴代のレギュラーメンバーの方々のご登場、あとはマリコの最終実験も見どころです。
テレビ・シリーズとはまた違ったスケールの大きな作品になっていますので、どうぞ楽しみにしていてください。
取材・文/多賀谷浩子 撮影/齋藤ジン ヘアメイク/黒田啓蔵(Iris) スタイリスト/竹上奈実