覚えることは簡単な5つの法則をだけ。短時間で上品で美しい文字を書くことができる「萩原式メソッド」を知っていますか? 今回は、考案者である萩原季実子(はぎわら・きみこ)さんに「きれいな字を書くための5つの法則」について伺いました。
コツをつかんだ瞬間から
美文字の道が拓けます
お手本が無くても美しい文字が書きたい。
印刷のような文字ではなく心のこもった自分らしい文字を目指したい。
そんな方におすすめなのが、いまからご紹介する「萩原式メソッド」です。
「きれいな字を書くコツは、今回ご紹介する5つの法則を理解し、覚えること。毎日のように練習する必要はありません。少しのコツで文字は必ず変わります」と、考案者の萩原季実子さん。
お手本を見て練習するだけでは上達できなかった生徒さんの本音を集めて生まれたこのメソッド。
読んで、覚えて、なぞって、あなたの字も美文字化してみませんか?
萩原式メソッドで使用するのは「ゲルインキボールペン」と「硬筆用ソフト下敷き」。
弘法筆を選ばずとはいいますが、使いやすい道具を選ぶことも上達のために大切なポイント。
【法則1】書きはじめは45度で
手書き漢字を美しく見せるためのコツ。
それは、漢字の「線」の書きはじめにありました。
まっすぐの線だけで書いた文字は、子どもっぽい印象になります。
【やり方】
線の書きはじめの角度が美しさを決めます
ポイント
●書きはじめに斜め45度の角度を付ける
●打ち込んだ後、ひと息置いてタメる
いきなりまっすぐな線を書くのではなく、書きはじめに45度の角度を付けた「打ち込み」をし、タメを作ることで、大人っぽくバランスの良い文字が書けるようになります。
文字に余裕が出て雰囲気も良くなります。
【法則2】横線の書き方を覚える
横に長い線を引く漢字は、漢数字の一、二、三を意識して書くだけでランクアップ!
まっすぐに横線を引くと、文字が幼くなり印象がダウンします。
【やり方】
弓なり、上向き、まっすぐ。3本の横線を習得する。
ポイント
●まずは「一、二、三」の書き方を覚える
●横線が1本の漢字は「一」、2本の漢字は「二」、3本の漢字は「三」をイメージする
●線の書きはじめの45度も忘れずに
横に長い線を使った漢字はいくつもありますが、その線のほとんどは1本から3本。
1本の漢字は「一」、2本の漢字は「二」、3本の漢字は「三」をイメージして、上の線、真ん中の線、下の線を書き分けると効果的です。
横線の向きでバランスを取ると、大人っぽい雰囲気になります。
【法則3】隙間で品を作る
「日」や「目」のような囲みの中にある横線は、両サイドに隙間を作ると上品な雰囲気に。
【やり方】
両サイドに隙間を作るだけで、上品に!
ポイント
●囲み内の横線は、左右をあけて書く
「日」のように、四角く囲まれた中に横線を書く漢字は、横線の左右に隙間を作るだけで自然にサラサラと書いたような印象に。
この法則を使えば、大人らしい印象の文字が書けるようになります。
【法則4】逆台形に整える
四角い漢字がきれいに書けない。
子どもっぽい印象が消えない。
そんなときは「逆台形」!
【やり方】
四角い漢字は逆台形、が鉄則
ポイント
●下にすぼめると上品になる
●「南」や「高」など底辺がない四角も逆台形
"字面"が四角い漢字は、逆台形を意識して下に向かってすぼめて書くと、字面が全体的に引き締まり、スマートな印象に。
【法則5】つながりと丸みを意識する
ここからは平仮名を美文字にするテクニックをご紹介。
美文字習得まであと一歩ですよ!
【つながり】
文字のつながりをイメージして書く
ポイント
●実際につなげて書いてみる
●一画ずつ、バランスを見ながら丁寧に
平仮名は「お」や「た」のように数画あるものと、「く」や「て」のように一画で書けるものに分かれています。数画ある文字は画と画の間の「つながり」を意識すると上品な雰囲気が増します。
【丸み】
大きい丸みと小さい丸みを書き分ける
ポイント
●大きい丸みは 円をイメージ
●「よ」や「な」などの小さい丸は、逆三角形をイメージ
平仮名は「丸み」を帯びた線を多用します。大きい丸み、小さい丸み、それぞれのポイントを意識しながら練習してみましょう。
取材・文/和栗 恵 撮影/工藤真衣子