「ほどかない」きものの形を生かしたリフォーム。後ろ姿もすっきりな「ブラウス」

やさしい手ぬいを提案する高橋恵美子さんのきものリフォーム。定期誌『毎日が発見』2月号のきものリフォームは「ほどかないで作る」がコンセプトです。きものの元々の形を最大限に生かした「ブラウス&スカート」のセットアップから、今回はきものの裁ち方と、「ブラウス」の作り方をご紹介します。


「昨年来のコロナ禍で家にいる時間が増え、手作りを楽しむ人が増えています」と高橋さん。

手ぬいのきものリフォームなら、きものと針と糸さえあればすぐにできます。

今回ご紹介するブラウスとスカートは、下写真のように元の形を生かして作れますからとても簡単です。

あなたもお手持ちの一枚で始めませんか?

リフォーム前
リフォームするきものを用意。箪笥に眠っていた古いきものを使う場合は、シミや汚れがないか確認しましょう。ここでは袷(あわせ)の紬を使用。

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きものの形を生かしてカット
ブラウスはきものの上部分、スカートは下部分で作ります。えりとおくみを外す以外はほどきません。

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できました!
広げてみると、きものの形を生かしていることが分かりますね。スカートは巻きスカートタイプ。きものの八掛(はっかけ/裏地)もそのままなので裾裏が見えてもおしゃれです。

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ブラウスは袖付けなしで作れます
ブラウスの袖は、きものの袖下を裁ったもの。袖付けの必要はありません。えりぐりの程よいあきや裾のタックもすてき。

スカートはきもの地の身頃をそのまま使います
左右の身頃を合わせて着るきものの形を利用して、巻きスカート風に。ウエスト部分をぬうだけでできあがります。

「ほどかない」きものの形を生かしたリフォーム。後ろ姿もすっきりな「ブラウス」 2102_P101_01.jpgピアス、リング/ともにsu Ha(ワイス・ワイス トゥールス 電話03-5647-8355)、バッグ/ヨーガンレール(電話03-3820-8805)、ブーツ/セレナテラ(ホールバイセレナテラ 電話03-6419-7732)、ババグーリ(電話03-3820-8805)

シンプルだから長く楽しめる
ブラウスもスカートもきものの色柄が映えるシンプルな形。

思い出の詰まったきものを使えば、絹の服を着るぜいたくさと一緒に、より愛着のある一枚になるでしょう。

きものに付いている裏地も使っているので着心地暖か。

袖口やスカートの裾にのぞく裏地の色も魅力です。

ブラウスは素肌に着ても
インナーなしで着るとまた雰囲気が変わります。セットアップにせず、ときには1枚ずつ別々に着てコーディネートの幅を広げてください。

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スカート/ババグーリ(ヨーガンレール)

後ろ姿もすっきり
えりぐりのカーブが、うなじから肩の線をきれいに見せてくれます。プルオーバータイプなので着脱もらく。

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袖をロールアップして軽快に
カジュアルに着こなしたい日は、写真のように袖口を巻き上げて裏地を見せても。

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ひらりと揺れる裾巻き

スカートタイプなので、歩みに合わせて裏地がのぞき、表地との色の違いがアクセントになります。身幅もゆったりなので歩きやすさも満点です。

【次ページ:きもので「スカート」を作ってみましょう】

 

<教えてくれた人>
高橋恵美子(たかはし・えみこ)さん

1954年、東京・青山生まれ。初めて手作りする人のための、やさしい手ぬいを提案して40年以上。「日本手ぬい普及協会」主宰。きものリフォームから洋服の手作りなどさまざまなテーマの著書は100冊を超える。

この記事は『毎日が発見』2021年2月号に掲載の情報です。
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