累計発行部数8000万部を突破した大ヒットマンガ『鬼滅の刃』。主人公・竈門炭治郎が強さと優しさで困難を乗り越えていく姿に多くの読者が感動し、その人気は社会現象にもなりました。今回は、鬼滅の刃のキャラクターたちの名言をまとめた『「鬼滅の刃」の折れない心をつくる言葉』(藤寺郁光/あさ出版)から、炭治郎が発した「心の強さを手に入れられる言葉」を厳選してお届けします。
「生まれた時は誰もが弱い赤子だ 誰かに助けてもらわなきゃ生きられない (中略) 誰かに守られ助けられ 今生きているんだ」
(竈門炭治郎/ 第148 話「ぶつかる」)
義勇(ぎゆう)とともに、上弦の参・猗窩座(あかざ)と対峙する炭治郎。
弱者が嫌いで「弱者には虫唾が走る 反吐が出る 淘汰されるのは自然の摂理に他ならない」という猗窩座に対して、炭治郎はきっぱりとそれを否定します。
「お前が今そこに居ることが その証明だよ」「誰かに守られ助けられ今生きているんだ」と。
そして、後輩を守るために命を落とした煉獄(れんごく)の仇を討つため、炭治郎は力をみなぎらせます。
煉獄の想いを受け継ぎ、人間であったときの猗窩座へと伝えるかのように語りかけたのがこの言葉です。
◎竈門炭治郎(かまどたんじろう):『鬼滅の刃』主人公。妹を人間に戻すために、鬼殺隊の隊士として鬼と戦う。
◎冨岡義勇(とみおかぎゆう):「水の呼吸」の使い手、水柱。炭治郎を鬼殺隊に導いた寡黙な剣士。
◎煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう):「炎の呼吸」の使い手、炎柱。代々、炎柱を輩出している煉獄家の出身。
頼ることが苦手な君への言葉
子どもが親や親しい人以外を恐れるのは、人間としての防衛本能からです。
赤ちゃんが大きな声で泣くのは、誰かを呼んで、助けてもらわないと1人で生きることができないからです。
どんな人も、もとは弱い存在で、助けを必要とするのです。
「誰かに助けてもらわなきゃ生きられない」というと大げさに聞こえるかもしれませんが、どんなに生命力がある人でも、生み落とされて自力で1人では育つことはできません。
あなたを育ててくれたのは、親以外にも、学校の先生や同級生や先輩、近所の人や寮の人、親戚や兄妹姉妹など、たくさんの人がいるでしょう。
いまのあなたがいるのは、そうしたたくさんの人たちがあなたを助けてきたからなのです。
そして、弱くて守ってあげなければいけない存在は、必ずしも赤ん坊や子どもだけではありません。
怪我をしている人や病気である人、そして、新入社員や未経験者などの"新人"も同じです。
新人は、その世界に入ってきたばかりの"0歳児"で、右も左もわからない危険な状態です。
だから、仕事に就いたり、会社に入ったり、何か新しいことを始めるときは、先生や先輩という"親がわりの存在"が必要なのです。
では、あなたは誰かの"親"になった経験があるでしょうか。
誰かを助けたり、守ったり、育てたり......。
そのときどんな気持ちになったでしょうか。
誰かに何かを教える経験は、教えられる側、そして教える側にとっても大きな成長の機会です。
教えることでさらに理解が深まるだけでなく、教える側、そしてかつて自分がそうだった教わる側、両方の立場がわかることで、多くのことに気づくことができるからです。
自分はなんのために存在しているのか。
自分が生きている意味はなんだろう。
もしも、いまそのような気持ちになってしまっているなら、ぜひ、あなたはこれまで多くの人に助けられてきたことを思い出してください。
あなたがいま生きていることには、明確な理由があるのです。
そして、どんな小さなことでもいいので、誰かを助け、与えてもらったものを少しでも多く、次の世代、時代へ引き渡し、良き社会をつくり出していってください。
【『鬼滅の刃』あらすじ】
舞台は大正時代の人喰い鬼の棲む世界。炭売りの竈門炭治郎(かまどたんじろう)は家族を鬼の鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)に惨殺され、唯一生きのこった妹・竈門禰豆子(かまどねずこ)も鬼と化させられてしまう。そこに、鬼殺隊の剣士・冨岡義勇(とみおかぎゆう)が現れ、禰豆子を殺そうとするが、炭治郎は「妹を殺さないでください」と懇願することしかできない。そんな炭治郎に戦う決意をさせたのは、義勇の「生殺与奪(せいさつよだつ)の権を他人に握らせるな!! 惨めったらしくうずくまるのはやめろ!!」という言葉だった。 炭治郎は妹を人間に戻す方法を見つけるため、鬼殺隊として鬼と戦いながら、禰豆子とともに最大の敵である鬼舞辻無惨を倒す道を進む――。
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